第5話 はじまりの街 ファスト
僕たちはやっとの思いではじまりの街 ファストに到着した。
「あぁぁぁ…やっと着いたよセイタぁぁぁ」
「あぁ、着いた…な」
着いたんだよな…?間違いないよな、ここがはじまりの街ファストで…
「ん?どうしたの、セイタ」
「いや、僕たち着いたんだよな?ファストに」
クロウナは1度僕の顔をみて、上にある看板を見、もう一度僕の顔を見る
「看板にようこそファストへ って書いてあるし、
そうなんじゃないの?」
「そう…だよな。」
そうなんだよ、上に吊るしてある看板には確かに書いてあるんだよなぁ、はじまりの街 ファストって…
でもさぁ、おかしすぎやしないか?あきらかに
「だけどさクロウナ…なんか変じゃないか?」
街の雰囲気はもちろん、まだ昼間だというのに人はいないし 建物もなんかボロボロな気がする…
「私もそんな気がしてた…でも、はじまりの街っては書いてあるし ここがファストで間違いはないと思うよ…。」
それはそうなんだろうけど…
まぁ、とりあえず先に進んでみるかと歩き進めていくと何やらスプレーアートのようなものを見つけた、黒い鴉がドクロを被ったようなものが描かれていた…。
「なぁ、クロウナ あの絵なんだと思う?」
「んー?どの絵………っ。」
クロウナは描かれた絵を見ると歩いていた足を止め顔を真っ青に染めあげ 言葉を失ってしまった…。
「おい、クロウナッ!どうしたんだよ、あれはいったいなんなんだ?」
僕が身体を揺らすと はっとしたようにこちらを向きゆっくりと重い空気の中話し始める。
「あれはクロウフックのマークだよ…。」
クロウフック!?どうして、ここにそんなマークが…
「ここ、はじまりの街を奴らが乗っ取った…そういう印…。」
乗っ取った…どうして、どうしてそんなことをするんだ。もしかして、僕らが来ることを既に読んでいた…
だとしたら、他の場所も……。
「急がなきゃ…命が……」
「セイタ…?」
命を助ける、そう決めたんだ…。
だから僕はこんなところで止まっている訳にはいかない…最近までは栄えてたこの街、ってことは奴らはまだ遠くには言っていないはず…
「待ってセイタ、これは罠かもしれない…」
「だったらなんだ、その間に命がもし殺されたら…」
殺されたら…それこそ僕の生きる意味が…
「大丈夫、その心配はないよ」
その心配はない…?
「どうして言い切れるんだよ…」
「クロウフックは1度拠点を決めると最低でも1ヶ月はそこから動かない 失敗しようが成功しようがね、それに魔法照合にはかなりの時間がかかるそれも最低でも1年ね だから安心して まだ命は死なない」
まだ死なない…か。それでも、いつかは死ぬ、可能性がある。でも、それが今すぐではないことがわかって少しほっとした。
「悪いクロウナ…少し頭に血が上ってた…冷静にならなくちゃだな…。」
「うん!そのために私がいるんだからね!」
あぁ、本当に心強いな…でも、ここが奴らに占拠されているとしてここにいるのはまずすぎる、でもどこへ向かうのがいいだ…。
「なぁ、ここにいるのはさすがにまずいだろ ここから次はどこに向かうのがベストだ?」
「そうだな、とりあえず少し戻って別ルートな行こ!おそらくそこならまだ占拠されてないはず、道中でレベリングもしなくちゃだしね!」
そうだな、レベリングもしながらまだ占拠されていない場所があるのならそこに向かうのがいいだろう…
「よし、そこへ向かおう で?そこの名前は?」
「えっと、たしか…
「…」
霊住街…か、いや、たしかにそこならまだ占拠はされていないんだろうけどさ……。
まぁ、言ってても仕方ないか…。
「それで、霊住街までの道はわかるのか?」
「たぶん、おそらく、だいたいは?」
だと思ったよ、そんなことだろうとは思ったけど…
まぁ、とりあえず来た道を戻ってみるとするか…。
「まぁ、ここで考えてても意味ないしとりあえず来た道を戻ろうか」
「そうだね、歩いてたら思い出すかもしれないしね」
霊住街に向けて僕たちは歩きはじめる、まだ自分の魔法がどれほどのものかも把握できてない…試してみたいしレベリングもしたい…。
その願いはすぐに叶った…叶ったが……
「いや、多すぎだろっ!!!」
スライムが現れた…それもたくさん。
いや、たーーーーーーくさんだ。
「特殊魔法
吹き飛んだ…3割くらいだろうか、
パーティーを組んでいるからだろうか経験値が倒していない僕にも入ってきた。
なんて便利なシステムなんだ、いや、じゃなくてだな
「僕も負けてられないな、えっと……」
まずは、その辺の石を手に取って…
「特殊魔法
よし、できたしかも小さい投げナイフにしたから結構な量が作れた…。これをスライムたちの上空に投げて…
「
うまくいった!結構やれるなこれ…いや、特殊魔法だからそうじゃなけりゃ困るんだけどさ…。
「すんごい!ねぇ、セイタ 今の何?どうやったの?」
残り7割くらいいたスライムたちを全て蹴散らしたことに驚いたのかものすごい勢いで僕を問い詰めてきた…
「いや、これが僕の特殊魔法 創造なんだけど…」
「それはわかってるんだけどね、聞いたことあるだけで実際に見たことがあるわけじゃなかったからさ…すごいなって思ったんだよね」
クロウナは目を輝かせてそう言った…
確かに僕もこの魔法はすごいと思った…でも、まだ使いこなせていない…
今のは相手がスライムだったから倒せただけ、もっと強くならなければ命は助けられない…
「ねぇ、セイタすごいよ!すごくレベルが上がってる!」
そう言われ急いで僕もステータスを確認する。
なんだこれ…さっきまでレベル5くらいだったじゃないか…
「レベル…30……」
スライムを倒しただけだぞ…雑魚キャラじゃないのか?
いや、でも待てよ…確かにレベル30はすごい…だけど本当に強いのか?この世界の30は弱くてもっと高いレベルがうようよと存在している可能性だってあるんだ…焦るなよ僕…
「なぁ、クロウナ…聞きたいことがあるんだけどさ…」
「ん?いいけど…どうしたの?」
少し怖いなと思いながらも聞いておかないと後悔しそうで、僕は恐る恐る聞いてみることにした…聞いていれば何かあっても対策のしようはある…だから…
「クロウフックの奴らのレベルって、クロウナわかる?」
初めはんー…と考え込んではいたがすぐにうんっと首を縦に振り…
「確か下っ端でもレベルは30くらい…その上の幹部は60くらい、最高幹部が120とかまたさらに上にいる
そんな差があるのか…やっぱり聞いていてよかった…でもこれでわかった、下っ端と幹部くらいならどうにか対応ができそうだ…
「まぁ、でも肆鴉、副鴉、長鴉に関しては聞いたことがあるだけだからもっと高いかも知れないし、低いかもしれない…他も今はもっと高くなってるかもしれない、だけど下っ端は大体それくらいで間違いはないよ…」
高いかもしれない…だからって怖気付いてなんていられない、僕は助けないといけない…いや、助けたいんだ命を…
「ちなみにだけどそいつらを倒しても経験値って貰えるの?」
「そいつらってクロウフックのこと?それなら貰えるよ。ちなみにだけど自分よりもレベルの高いモンスター、人間を倒したり、さっきみたいに同じモンスターを複数倒したりすると経験値が多く貰えるよ」
なるほど、それでさっきはレベルの上がり方がすごかったわけか…ところで
「クロウナは今レベルはどれくらいなんだ?」
「私?私はねぇ…45だよ」
45…45!?僕より高いじゃないか…ってそれはそうか…僕よりも戦闘経験はあるわけだもんな…
とはいってもレベルは高いに越したことはないし…
このまま霊住街へ向かっても問題はなさそうだな…
「よし、クロウナ思わぬハプニングはあったけど、スライムたちのおかげでレベリングもできた、このまま向かおうか 霊住街へ」
「うん!行こう、セイタ」
僕たちは霊住街へと歩みを進めた…
向かう途中に何やら視線を感じたような気がしたが気にせず進むことにした…
もっともっと強くなるそう心に誓って…
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