第4話 黒鴉の過去
僕たちふたりは1番近くの街でいろいろなものが揃う はじまりの街ファストに向かうことにした…
その道中 僕はクロウネから話を聞くことにした
「なぁ、クロウナ…君の
「やっぱ気になるよね…」
「いや、嫌なら言わなくていいんだ」
そういうとクロウナは首を横にふった
「ううん、これから一緒に旅をするんだもん セイタには知っていてほしいからちゃんと話すね」
クロウナはもっていた黒いキューブのようなものを起動させた
「クロウナ、それは?」
「これはね、私たちの会話が私たち以外には聞こえなくなるようにするものなの…」
なるほど、そんな便利なアイテムもあるのかさすが異世界だ でもそんなことする必要があることなのか?
「それでね、私の特殊魔法なんだけどね…
操影…たしかに強そうだけどこういう風にアイテムを使ってまで隠さないといけないことなんだろうか…
「昔ね、私がまだ幼い時にこの魔法が暴走しちゃったことがあるの…それで村の鴉たちを何羽か殺してしまって…それでね」
そういうことか、それでその場の空気を悪くしないためにオサラスが気を使ってくれたというわけか…
「それでね、セイタ。その時、村を救ってくれたのが命なの、暴走した影を止めてくれてね…まぁ、その後 おじいちゃんがうまいこと話してくれて悪魔の仕業ってことになってね…」
つまり、クロウナの特殊魔法についてはオサラスとクロウネ、そして本人しか知らないってことか…このことがバレたらクロウナが村の鴉たちから攻撃されかねない、だからこうやって話しているわけか…なるほどやっと理解ができた……いや、待てよ
「おい、クロウナ いま命が助けてくれたって言ったか?」
「うん、言ったけど…」
やっぱりおかしい、たしかにオサラスは命には魔法は使えないと言っていた、なのにクロウナの特殊魔法をとめるすべがあるわけがない
「ちょっと待ってくれクロウナ…命は魔法がつかえないんじゃないのか?それなのにどうしてクロウナの特殊魔法の暴走をとめられるんだ?」
「え?」
「え…?」
僕の言葉にクロウナは頭にはてなを浮かべる、数秒後なにかを察したように話をはじめた
「あぁ、おじいちゃんが言っていたのは命が創造をもっていないよって話 命ももってるよ私やセイタみたく特殊魔法じゃないけどね」
「その、命がもってる魔法っていうのは…?」
純粋に興味があった、彼女が…命がどんな魔法をもっているのか どんな能力なのか…
「命の魔法はね…」
「
闇消す光…命らしい魔法だと、そう思った。
だからか、クロウナが命を助けたいとあんなに必死に言っていた理由はこれだったのか…
助けてくれたから、今度は自分が助けるんだとそういうことなのか…。
「なぁ、クロウナ……」
「どうしたの?セイタ」
「絶対助けような…命のこと」
「うんっ!ありがとうセイタ」
さっきまでの頑張ってる笑顔ではなく心の底からでたであろうクロウナの笑顔に僕はほっとしていた。
「ところでクロウナ、ファストへの行き方ってわかるのか?」
「んー?ファストー?」
あれ?なんかこれダメなやつか?
「あれ?僕たちっていまどこに向かっているの?」
その問いかけにクロウナは首を何度も何度も傾げ笑顔でこちらを向くと
「わかんないw」
そう言ってきた…あ、うん なんとなくそうだと思っていました。でも、まぁ今さら考えても仕方がないしな…。
「まぁ、とりあえずこの道を真っ直ぐ進もうか…」
考えてこの状況が一変するならいいけど、このままだと一向に変化はない、だったら行動する これが1番の正解択だと思うな僕は
「うん、セイタが行く場所なら私も着いていくから」
心強いと言ったらいいのかなんと言ったらいいのか…
僕にはわからないがとりあえず、クロウナがいてくれること それだけでも心強いからそういうことにしておこう。
それから数日僕たちは歩き続けた…
歩いて歩いて、歩き続けた末なにか街のようなものが見えてきた…
「セイタ!あれ!」
クロウナが指を指す方を見ると、そこにははじまりの街 ファストと書かれた看板があった
「やっと着いたのか…やっ…と……」
僕とクロウナは立ち止まる…
喜びの先に待っていたのは絶望そのものだった…
「セイタ……」
さすがのクロウナも泣きそうな声で僕の名前を呼ぶ
それもそのはずだ、看板の下には欠けた看板が落ちていて そこには
「…まで100km……」
と書かれてあった、それでも僕たちは進むしかないそう決めたのだから たとえクロウナがここからもぉ行かないんだとそう言ったとしても僕だけは諦めてはいけない、諦めたくないんだ…。
「クロウナ、僕は行くよ…」
そう言うとクロウナも顔をあげた。
「もちろん、私はセイタに着いていくって そう決めたからね!命のことも助けたいし!」
あぁ、なんて心強いんだろうか…
僕はこの子と共に必ず生きて、命を助けに行くんだと
そう心に誓った。
「さぁ、行こうか クロウナ」
「うん!頑張るよ セイタ」
僕たちは止まった足を動かし再び歩き始める。
100kmなんて、あの子のことを思えば、クロウナのことを思えばなんの問題もない どうせこれからもっと歩くんだ、こんなことで弱音なんて吐いてられない。
強くなるんだ、強くなって大切な人を誰1人気づつけないように守れるように…。
僕とクロウナはそれから、歩いては野宿し寝て、歩いては寝てを繰り返し歩き始めて1ヶ月程だろうか…
はじまりの街 ファストに到着した…。
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