第3話 魔法そして黒鴉の少女

その魔法スキルとは…


創造リメイク…」


創造か…どんな能力なんだろうか…

そう考えていると さっきの呟きを聞いていたのかオサラスが目を見開いて口を開いた

「創造じゃと…生太よいま創造といったのか?」

「え…あ、はい 僕が手に入れた魔法は創造だったみたいです…あの、オサラスこの創造というのはどんな効果の魔法なんでしょうか?」

その言葉を聞いたオサラスはまた口早に話し始める

「創造を知らんとは…といっても元々この国の者ではないおまえに言ったところでか…まぁいい、創造とはあらゆるものをあらゆる形に変えることのできる特殊魔法ハイスキルじゃ」

「特殊魔法…」

オサラスの口ぶりを聞いている限りとても凄い魔法なんだろう…僕にはまだ理解はできないが

「ただし創造には性質が同じものもしくは似ているものしかつくることはできん ただの、この魔法はこの世にお前を含め3人しかおらんのじゃ…」

3人…でも僕の他に3人いるのか だったら何の心配も無さそうだ僕しかもっていない固有の魔法とかだったらどうしようかと思ったけどとりあえずは一安心かな

「ただの、生太……」

「え、はい」

さっきまでのオサラスとは違い少し重たい口調で話はじめる…

「わしの父にあたるカカスラ、そして命をさらったクロウフックの元頭 アッカーどちらもお前と同じ創造使いじゃった…」

「それって…」

それって、もぉこの世には…

この世には僕しか創造が使える者がいないという意味なのでは…

「そして、その創造とはどちらのチームにおいてもなくてはならぬ魔法じゃった…そこで、クロウフックの奴らは中でも1番その能力をもっていそうな者を捕まえ子をはらませることにしたのじゃ…」

「…」

それってもしかしなくても…

「それが命じゃよ…もちろん、あの子にそんな魔法なんてないがな…」

そうだよ…あったらそんな、クロウフックなんかにカンタンに捕まらないはずだ…

でも、もしそうじゃないと分かったら解放されるから…解放?本当にそうなのか?

確信はないがなぜか胸騒ぎがした…

「なぁ、オサラス…もし、もしさ…命にそんな魔法がないってわかったら…命はどうなるんだ?」

僕はおそるおそる尋ねてみた…

答えはなんとなくわかっていたが、もしかしたら僕の考えが違っているかもしれない、そう期待……

「殺される…じゃろうな……」

は簡単に裏切られてしまった…

わかっていたさ、敵側の人間を捕まえたんだ どちらにせよ殺すに決まっている…

でも、そんなのは嫌だ…僕は僕は

「そこでじゃ生太…おぬs…」

「助けに行く、僕は命を…」

そうだ、約束したんだ僕は命と一緒に生きる意味を探すって だから殺させない 死なせない…何があっても僕が守ってみせるんだ…

「おまえならそう言ってくれると信じておったわい、ところでな生太…おまえの名前じゃが…」

「セイタです、漢字じゃなくてカタカナで…名字は捨てました…」

「カタカナ…?はよく分からんがよく言った、魔法も手に入れたことじゃし すぐにでも旅に迎えるじゃろうて」

「ありがとうございます、そしてお世話になりました。こんなに素敵なものまでいただいてしまって…では、皆さんお元気で…」

「待つんじゃ」

挨拶も終え、これから僕の新たなセイタとしての冒険が始まると思っていたところにまたオサラスが邪魔してくる…

「待つんじゃセイタ…よかったらじゃがのぉ、こいつも一緒に連れて行ってやってはくれんかのぉ わしの孫娘じゃ…ほれ、挨拶せんか」

オサラスがそういうとそのうしろから1人かなり若そうな…僕のいた世界ではおそらく高校生くらいの少女が顔をのぞかせた…

「そ、そんな…僕が女の子となんて…」

「私からもお頼みします セイタさん…私たちの孫娘をどうか…申し遅れました、私はオサラスの妻のクロウネと申します。」

困ったな…こんな若い子とふたりでなんて…

僕自身、己の身体すら守れるかわからないのに…

「僕自身のこともまだ守れるかわからないのに、オサラスとクロウネさんの大切な孫娘さんまで…」

僕がそう断りの言葉を言い終える前に孫娘と言われていた少女が僕の前にでてきた

「セイタ!私はあなたには迷惑をかけない 自分の身は自分で守るから…大変なのはわかってる、それでもあの憎いクロウフックを倒したいの…。だから、お願いセイタ…」

その勢いに圧倒されたがやっぱり…とそう、あーとかんーとか首をかしげて悩んでいるとオサラスが少女の頭にゲンコツをいれていた

「こら、おまえは名も名乗らずなんて無礼なやつだ それにセイタじゃなくてセイタさんじゃろうが…」

少女はいてて…と言いながら僕の方を向き直しお辞儀をし微笑むとまた口をひらく

「私はオサラスとクロウネの孫のクロウナ!セイタ、よろしく!」

「いてっ…もぉおじいちゃん…」

まぁ、言わずもがななにがあったかはわかるとは思うが…

「まったく、何回言ったらわかるんじゃ こいつは…」

「僕は大丈夫ですから…そんなに怒らないでやってください オサラス」

そういうとクロウナは僕のうしろに来てはぴょこっと顔をのぞかせオサラスに舌を出した

「はぁ、すまぬなセイタ じゃが、そういうことでクロウナのことをよろしく頼むの」

本当にこの子と旅に行くのか…少し不安だが、オサラスの頼みだ仕方ない…。

「本当にありがとうねぇ、でもね安心してセイタさん その子は私達の中で唯一人化ができて、セイタさんと同じ特殊魔法が使えるのよ」

その言葉に僕は目を見開いた…特殊魔法が使える?この子が?その言葉に僕の不安はいっきになくなった

「そうだよ!私は特殊魔法が使えるの!」

「その特殊魔法ってのは?クロウナはどんな魔法が使えるの?」

「ここではなんじゃ…その話はあとでゆっくりふたりの時にしてはどうじゃろうか。」

オサラスは少し困ったような顔をして僕にそう言った…なにか訳ありなんだろうか?まぁ、いいそれもそのうちわかることだろう。

そろそろ僕も旅にでないといけないしな…

「それじゃあ、僕たちはそろそろ」

「セイタさん、クロウナのことよろしく頼みますね」

「セイタ、クロウナ…元気での」

「うん!おじいちゃん、おばあちゃん、みんな!行ってくるね!」

「行ってきます…みなさん」

皆に…オサラス、クロウネに見送られて

そうして僕たちの旅は始まった…

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