第24話
俺は爆発音が聞こえた北側の正面入り口の方を見ると、
再び爆発し今度は北側の扉が壁ごと吹き飛んだ。
ドアは俺たちの方まで吹き飛んできたが異能力で俊がそれを防いだ。
扉があった辺りはまだ煙ではっきり見えない。
そのまま俺たちは警戒していると煙の中から人影が現れたが、
明らかに身長が3メートル以上はある。
「なんかあれサイズ感おかしくない?」
「そうだな…二階のギャラリーに届くくらいの身長っておかしいだろ。」
「そうだよな、てかあれ明らかに普通の人間にシルエットしてないが…」
俺と俊がそう話していると段々と煙が晴れて襲撃者の全体が見えてきた。
その襲撃者は、
3メートル以上の長身で肌は淡い紫色、
スキンヘッドで角が2本生えていて、
ついでに腕が4本と翼まである。
恰好は上半身裸で下は床に着くほどの長さの布を腰に巻いている。
もしかしたら足も2本じゃないかもしれないな。
「伏見さんあれなにか知ってます?ハロウィンのコスプレとかですかね?」
俺が現実逃避気味に聞くと伏見は答えた、
「あれは異世界にいる魔族と呼ばれる存在です…もしかすると近くに異世界とつながるゲートが現れたのかもしれません。そのせいで私の異能力が干渉されて異空間が破壊されたんだと思います。」
「魔族ねぇ…まって、もしかしてそれって伏見さんの異能力で逃げられないってことですか?!」
「そうですね…もしも発動できても下手をすれば異空間の中で彷徨うような事態も十分考えられます。ですから私の異能力での逃走は一度選択から外す必要があります…」
「それめっちゃ怖いじゃん…しかもあいつ野放しにしたら辺りに被害でますよね?」
「そうですね、たまにテレビで報道される大きな爆発事故とかは実は魔族被害なので同じようなことになるでしょうね…」
「うわぁ…ちなみにもう一つ聞くんですけど、魔族って殺しても罪になりません?」
「それは一応そんな法律はないので大丈夫ですけど…そもそも異能力に関係するものは法で裁けないですので…って、もしかして戦う気ですか!?」
「まぁ逃げられないならやるしかないですよね。俺、昔から鬼ごっこは死ぬほど嫌いだったんで。お前らもそれでいいか?」
俺の言葉に3人は力強く頷いた。
なんでか知らないがこいつらと一緒だと根拠のない自信が湧いてくる。
この感覚がすごく懐かしい、社会人になって立ち向かうことより流れに身を任せることが当たり前になっていた。
まぁいまはそんなことを考えている場合ではないが。
そしてついに魔族と呼ばれる襲撃者は口を開いた。
「$○!□※*%☆♭▲ ‼︎」
「は?」
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