第16話


辺見は思わずつっこんだ俺の反応がうれしかったようではしゃいでいる。


「すごーい、ちゃんと反応してくれたー!面白いやつだなー、お前は最後に見てやろー。」


「いや、コマ〇ドーか!ネタが古いわ!」


「あの、伊藤さんもういいですか…?」


俺と辺見のやり取りにあきれた伏見が話をもとに戻そうとしてきた。


「あ、いや、すいません…」


「怜治あんまりふざけてると俺みたいに金的くらうぞ?w」


申し訳なさそうに謝った俺に肩を組んできた俊がいじる。

それに俺はもちろん黙っていない。


「さすが金的くらってさっきは腹に蹴り食らったデリカシーなさ男のいうことは違うな」


「ちょっと二人ともやめた方がいいって…悠君おねがいしていい?。」


俺と俊の言い合いを健が仲裁しようとするが、

自分はまだ体を下手に動かせないので悠にお願いする。


悠はそれに無言で頷くと俺たちを強引に引き離した。

それを見てまた伏見がため息をつく。


「はぁ…またすぐに話が逸れる…まったくこの人達は…ほら、いいですか!今からこの辺見の異能力で皆さんの異能力を鑑定してもらいます。異能力には複数のタイプがあるのでそれがわかれば皆さんが異能力を制御する為の手助けもこちらで出来ます。そして何より自分の異能力を自覚することが制御する上で一番大切なことなのです。」


「なるほど、ちなみに異能力のタイプ?みたいなのはどんなのがあるんですか?」


伏見の説明をだいたい理解した俺は伏見が言っていた異能力のタイプというものが気になった。


「異能力は大きく分けると2つのタイプがありそこから細かく能力の方向が枝分かれしていきます。」

「一つ目は【気力】と呼ばれるものです。異能力者の8割はこれに当てはまります。命の危使用者の精神力や体力を源として発動される能力ですね。異能力としては特定のモノに特化した方向性のものがほとんどですね。例えば炎を操るとか手に持った物を硬質化させるといったものがあります。一番研究が進んでいる異能力のタイプで使いすぎると体が動かなくなり、それでも使い続けると気を失ったり最悪は死亡することもあるとされています。発現の要素としては命の危機に瀕した場合が多いとの統計ですね。」


「二つ目は【魔力】と言われるタイプですね。残りの約2割がこれで、こちらは異世界のモノと接触があると目覚めると言われています。例えばモンスターとか異世界とのゲートやその痕跡と言ったものですね。こちらは異能力者の体内で魔力が生成されそれを源として発動されます。気力と違って異能力にかなり応用が効きます。一人で炎も水も雷も放出できたりする所謂魔法というものですね。想像力があれば何でもできてしまう異能力です。ですが人によって体内の魔力保有量や一日の回復量が違います、なにより魔力自体の取り扱いがかなり難しいと言われています。」


「そして全体の0.1%以下に当たるのが例外と言われるものです。【神力】や【権能】と呼ばれ、異能力の上位とされています。日本には3名、いや今は2名いますね。まぁこれは皆さんが今後普通に生きていくなら絶対に関係ないことなので気にしないでください。」


「説明はここまでとして早速始めましょうか」


伏見はそう言うと隣であくびをしていた辺見に鑑定の準備を始めさせた。






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