第1話

「それじゃ31歳の俺達にかんぱーい!!!」


「「「かんぱーい!!!」」」


今日は俺、伊藤怜治いとう れいじの31歳の誕生日だ。

その誕生日を祝うって名目で昔からの3人の友人達が集まってくれた。

この歳にもなると昔の友人と集まる事なんてほとんどなくなっていた為、今日は久しぶりの再会だった。

本来なら30歳になった時に集まろうって企画してたんだが流行病のせいで延期になっていた。

この中では俺の誕生日が1番遅く、他の3人はすでに31歳になっていた。


「てかなんで俺の誕生日に闇鍋パーティーなんだよ。元は普通の鍋パーティーだっただろ?」

俺は缶チューハイに口をつけながらそう愚痴った。


「まぁそういうなって、準備してるうちに闇鍋やりたくなったんだよ。」

そう言ったのは友人の1人、佐藤俊さとう しゅんコイツは基本的にやる気ないがやりたい事がある時だけ行動力が馬鹿みたいに高くなる。


「うむ、やりたくなったらしょうがない!いつものことじゃないか!ハッハッハ!」

そう言いながら隣の人の背中をバンバン叩いてくる筋肉ダルマは渡辺悠わたなべ ゆう

見た目どうりの脳筋でフィジカルおばけだ。


「ゴホッ!ゴホッ!なんで僕の背中叩くんだよ…」

そして背中を叩かれてむせているのは、

山本健やまもと けんだ。


「そうだぞ、悠!今回の場所を貸してくれた山本様は丁寧に扱ってやらないとバチが当たるだろ。これからもっと酷い目に遭うんだから。」

俊が恐ろしい笑みを浮かべながらそんなことを言う。


「ちょっと、えっ!?何されるの!?めっちゃ怖いんだけど!?」

健は俊の発言と何かを企んでいる笑みに怯える。


「おいおい、あんまり健をびびらせんなって。大丈夫だぞ、こいつらがなにかやらかしたら俺が昔みたいにしばいてやるからな。」

俺がそう言ってフォローすると健は少し落ち着いた。


「そんで?言い出しっぺの俊雄よ、闇鍋ってどうやる

んだよ?」

俊に闇鍋のやり方を聞く。


「そんなん、電気消してそれぞれ持ちこんだ食材ぶっ込んだらいいだろ」

勢いだけで闇鍋をやると決めたので特になにも考えていなかったようだ。


「うむ、了解した!それでは電気を消すぞ!」

悠が俊の言葉に反応して即座に電気を消す。


「早いだろ!まったく、みんな大丈夫か?とりあえず食材いれてくぞ?」

急に電気が消された事にツッコミながらも諦めて鍋へ食材を入れていくと暗がりではっきりとわからないが他のヤツらも食材をいれているようだった。


「全員入れたか?」

「おっけー」

「うむ、大丈夫だ!」

「入れたよ…」

全員が食材を入れことを確認して鍋の蓋を手に持った、



そしてその瞬間、大きな衝撃を受けて俺達は意識を失った。



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