第3話

 「ふぅ、ひとまず七日目まで書くことができたな。」

 谷岡純は一息ついて軽くなっている財布に手を伸ばし、よし、今日もパチンコ打ちに行くかと意気揚々と外へでけていった。部屋には日記といつ食べたかわからないカップラーメンの残骸出す曜日を忘れた可燃ごみが残されているが、部屋の主にとっては汚いとは感じない。むしろ自身にとっては居心地のよい環境であるし、一人暮らしで大学にもろくに行っておらず友達もいないので誰にも何も言われない。彼が最後に大学へ行ったのは、日記の二日目のときでありその時さえろくに授業へは出ていなかった。もちろん課題などやっている理由もなくもはや何を履修しているかさえ忘れかけている。つまり、日記の二日目以降本当のことを書いてはいなかった。

 数時間してからだろうか、純が帰ってきた。財布の中身は減っており彼自身も意気消沈している。こうなったときの彼はいつにもまして一日何もしないことが常であったが、机にある日記が目に入った途端、はじめに書いた文言が脳裏をよぎり自分は何をしているのかという自責の念にかられ何もできない自分が悔しい。悔しさこそあれど反省はせず、自分自身へと格好つけたかったなど正当化のみが思考を支配するのも悔しい。もう寝よう。

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