第6話 初めてのお友達?
チャドとお風呂に入ったあとに、リビングでチャドと戯れているとチャドがなにかに反応してリビングの扉に目を向けると。
コンコン
「あの、入ってもよろしいですか?」
戸惑った感じの声で入室を求める。
「いいですよ」
すると扉が開き俺が助けた女性が恐る恐る入ってきた。
「あの時はありがとうございます。私は何はどうなるのでしょうか?」
どうなると言われても、何もする気は無いんだが
「たまたま悲鳴が聞こえて行ってみたら複数人に襲われていたから助けたんだ」
可愛かったから助けました。などと言える訳がない。
「そうなんですね。ありがとうございます。その、ここはどこなんでしょう?」
もう一度頭を下げてからここが何処なのか聞いてくる。
「たまたまだから気にしないで。ここは名前は分からないけど森の中にある俺の家」
森の中に家があると聞いて不思議そうな顔をする。
「私が逃げ込んだ森ですか?」
「そうだけど?」
その言葉を聞き女性は信じられないという顔をする。
「なにかまずかった?」
「いえ、そのこの森は魔の森と言って人が住めるような環境では無いです。魔物が多く強い個体が多いので。」
「俺も魔物だよ。あと君を助ける前に仲間になったチャド。もふもふだよ!」
俺の紹介で俺が魔物という言葉に特に驚くことはなかったがチャドの存在に今気づいたのかとてもびっくりしている。
俺は今、人化してないので翼、角、尻尾が生えていれば魔物だと分かるのだろうか?竜人がいればこんな感じでは無いのだろうか。
「その熊。おそらくSランク以上の魔物だと思うのですが。それにその熊が仲間だとするなら少なくとも貴方もSランクはあるんじゃないですか?」
Sランク?そんなものステータスには載ってなかったぞ?
「Sランクって何?」
「え?ご存知ないのですか?」
「知らない」
その後に彼女から教えてもらったランクは、EランクからSSランクまであり、Sランクの魔物は一体で大きな街を破壊することも出来るとか。高ランクの冒険または騎士団が多くの犠牲を覚悟して挑む程らしい。SSランクは討伐不可能として災害とされているらしい。
そうなのか。俺は何ランクなのだろう。
「俺って何ランクになるんだろうか?ちなみに俺はノアって名前だ。よろしく」
「エレノア・フォン・エイダと申します。よろしくお願いします。貴方、ではなくノア様のランクは分からない。というのが率直な意見です。そちらのチャド様のよう強者の雰囲気というのでしょうか?あなたからはそれが余り感じないのです。」
確かに俺はまだこの世界に来て2日目だし、チャドは少なくとも俺よりも長く弱肉強食の世界で生きてきたからその影響もありそうだ。それか、元社畜にはそもそも持っていない力なのだろう。下っ端であった俺には尚更。
「そうか。それで、なんて呼べばいい?名前が長くて呼ぶのも大変なんだが」
「私のことはエレノアとお呼びください」
「そうか。それでエレノアはなんで追われていたんだ?」
「私はユニークスキルの神聖魔法を持っています。神聖魔法は我が国にあるのが相応しいとカルタス信仰国に言われ私の父、エイダ王国の国王はそれを拒否したのですが、カルタス信仰国が私がエイダ王国の領地を視察をしている所を狙って襲撃してきまして。私を逃がすために多くの騎士が犠牲になりました。私は早く父に無事を報告しなければなりません。それな騎士達の遺体も出来れば国に、家族の元に送って差し上げたいのです。」
なかなか重い内容だな。気軽に聞いていい内容ではなかったな。
国に帰りたいと。
!ここは俺が送っていけば国に入って観光も簡単にで来るのではないのだろうか!
「ここからエイダ王国?は遠いのか?」
「ここから、魔の森からですと馬車で1週間程でしょうか」
そこに行けばわこの世界にしかない物が色々買えるかもしれんな。ネットのスキルは地球のものしか置いてないから、
「俺がその国まで送ってくから買い物できそうなところ紹介してくれ」
「はい?」
異世界の初めての街にお出かけ!
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