第8話 待ち合わせ

結局あの後、シリウスが起きてしまったため、

カペラから詳細を聞くことは出来なかった。


数回の手紙のやりとりで診察がない時に

カペラとリゲルとシオンの3人で外出しようというこという流れになった。

日時が決まり、リゲルに約束のことを伝えた時、

苦虫をかみつぶしたような顔をされてしまった。

行先は文面に残すことが出来ない為、

当日に馬車の中で教えると手紙に書かれていたからかもしれない。


(それに急に決めてしまったのが、よっぽど迷惑だったのでしょうね)


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お出かけ当日、

街にも馴染むよう動きやすいワンピースを用意してもらっていた。


シオンとリゲルが門の付近に立っていると、

遠くから一台の馬車がやってくる。

王族がお忍びで使う物らしく、カペラが王族と仲が良いので

借りてきているのだろうとリゲルに教えられた。

目の前に、馬車が止まり扉が開く。


「遅くなってすまない」


顔を上げた先で微笑んでいたのはシリウスだった。


「どうして……?」

「この前のお礼がしたくて。僕がいるとお邪魔かな?」

「いえ! 私は、皆様がよろしければ……」


シリウスが有無を言わさない笑顔をリゲルとカペラに向ける。

心なしか2人から表情が失せたようにも見えた。


「リゲル、何か言いたげですね?」


にこにこと微笑んでいるシリウスと無表情のリゲル。

問われたリゲルはシオンに聞こえない声でシリウスに答える。


「止めたところで聞かないくせに」

「何か?」

「いえ、4人でお出かけするのもいいと思います」

「だよね、2人が同じ気持ちで良かったよ」


4人は馬車に乗り込んだ。

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