第4話 味覚のない料理人

 どしゃ降りの雨。狭い路地裏で一人の少年が佇んでいた。店で使った廃棄ゴミを処理するために裏に来た少女がそれを見つけると、声をかけた。

「そんな所で何をしているの? こっちに来て温かいスープでも飲みなよ」

 少年は深くフードを被り俯きながら首を振るう。

「お金ー…持ってない……それにー…」

「お金なんて良いからおいで」

 そう言って少女は少年の腕を取り、店の中に招き入れた。

 戸惑いながらも出された黄金色にきらめく鳥のスープを見てゴクリ、とつばをのむ。

「いただきます……」

「どうぞ! 召し上がれ!」

 少年はスープをすくうと口にゆっくりと運ぶ。その様子をじっと少女は見つめていた。

「どう? 美味しい?」

「……」

 少年は首を横にふった。

「おかしいなー…美味しく作れたと思ったんだけどなー…」

 少女が少年からスプーンを借りるとスープを一口飲んだ。

「違うんだ……」

 少年がまた何度も首をふるった。

「何が違うの?」

「違う……違うんだ……そうじゃなくてー…」

 そこまで言うと、また、口を閉ざしてしまう。

「もしかしてー…味覚が感じられないの?」

 少年がゆっくりと頷き小さな声で謝った。

「そっかー…謝らなくていいよ」

 少女が何か少し考えた後、思いたったのか。

「ねぇー…良かったらここで働かない?」

 少年が突然何を言い出すんだと驚いた。

「どうして? 俺、味覚ー…ないし……ましてや料理なんてー…」

「味覚が無いから料理が出来ないって? ここのマスターも味覚なくなっても凄く美味しい料理作ってるよ」

 そういった少女の美味しいだよと笑った姿が少年には眩しく感じられた。同時に、少年自身と同じ立場で『味覚のない料理人』というのにも興味をもったのであった。





〜〜〜〜コロナしんどいな〜〜〜〜


現在コロナnow作者が味覚を感じられなくてスパイシーなのは感じる。けど、他の味がしないな〜不味いな〜ボリボリボリボリ味覚がないってこんな感じか〜って思ってこれ小説にすると面白そうと思ったのがことの始まりです笑



※メモ程度に書いたのでいざ長編とかにするときこの冒頭ではないかもですがご了承ください(_ _)

 

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