第37話 吸血公爵
結局、あのボス骸骨は、名取さんと姉貴と神宮司さん全員でかからなければ倒せなかった。あの名取さんが1対1だと押されていたレベルである。
なんて化け物だろう。ようやくあいつを打ち倒したとき、それは現れた。
誰の探知にもかかることなく、気配など感じさせずに、いつの間にか。
ボス骸骨が消えゆく場所に立っていた。長い銀髪に、赤く美しい瞳。あれが件の吸血鬼か。
「一体いつの間に……?」
「あいつです。俺が出会った吸血鬼は」
やはり件の吸血鬼であっているようだ。ステータス、覗いてみるか。
…………なんつう化け物だよ。今すぐ逃げるべきなんじゃないか? 名取さんのステータス、さっきのボス骸骨のステータスと比較すると恐ろしさが分かる。
ただでさえあのボス骸骨の相手でみんな疲弊してる。今あんなの相手にすれば誰も助からない。
問題の吸血鬼は膝をつき、消えゆくボス骸骨の手を取った。
「あぁぁぁぁぁぁぁ!」
嘆きの声があたりに響く。まずいなこれ、戦闘は避けられないだろ。
「絶対に許さない! 死ね!」
吸血鬼が殺意をむき出しにし、魔力を開放する。結界越しでも体が動かないほどの密度だ。
次の瞬間、姉貴が名取さんを突き飛ばし、姉貴に闇の波動が直撃する。
名取さんを狙った攻撃。名取さんも見切れなかった。姉貴はおそらく勘で行動したんだ。名取さんを守るために。
「心寧……? お前、心寧を……! …………………………………殺す」
名取さんのまた光の剣が黒く染まっていく。あれ、なんかまずくね? これどちらも恨みで戦うバーサーカー化して周りも巻き添え喰らうやつじゃね?
落ち着いて名取さん。姉貴は魔法も無効だから。防呪のブレスレットとかも買っちゃってて、今姉貴殺せるの毒だけだから。ぶっ飛ばされただけで生きてる……はず。
「どっかの部族がなんて関係ない! アルバの仇! 皆殺しにしてやる!!」
「ガタガタうるせぇな!? 何言ってるかわかんねぇんだよ。今あいつの元に送ってやるから黙ってろ」
名取さんこっわ。怒るとあんなんなるんか。ちょっと妹として姉貴と結婚させていいのか審議する必要がありそうだけど。
と言うか待って。今吸血鬼さんの言葉わかったよな?
今スキルを使って命令すれば、止められるんじゃ……。
と、思った矢先、両者が魔力のぶつけ合いを始めてしまった。
まずい、終わった、と思った次の瞬間。
2人はその場で気を失い崩れ落ちた。
「危ないところだったな」
2人の間には、日本最強の男が立っていた。
◇◆◇
後でステータスやら、色々追加します。忙しかったので少し短いです。
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