第31話 セントラルライト麻雀会
翌日。四人で集合して配信の準備をしていた。まぁスタッフさんも何人かいるけどね。ちなみになぜか一人だけメイド服を着ている人もいる。
「そういえばみいなと春奈ちゃんさ。連くんのことは名前で呼びなよ? というかみんな名前呼びで統一しよう。仲の良さのイメージ大事だからね。あ、私のことは代表で」
「わかったよ、お姉ちゃん。連くんと、春奈ちゃんって呼びますね」
春奈ちゃんが名取さんのこと名前で呼ぶのは姉貴的にセーフなのかな?
「私は連くんとみいなちゃんですね」
「僕はまぁ元と変わりないかな。人は名前で呼ぶタイプだし」
確かに名取さんは元から名前呼びだった気がする。紅さん以外。
「ん? 紅さんはさすがに気安く接することはできないからね」
「……口に出してました?」
「いやー顔見てなんとなく? やっぱり表情の感じは心寧と似てるからね」
マジかよすげぇな。姉貴とは結構長いからかな?
「なんというか、あこがれますね。私も表情でわかるようになったりするんでしょうか。……そもそも恋人が」
春奈ちゃんがこちらを見てくる。
「どうでしょう。少なくとも私はわかる気しませんね」
おそらく表情から内心を読み取る練習をしているのだろうが、見つめられて少し照れてしまった。
「さて、もうすぐ時間だね」
「お、レイセ、雀卓用意できる?」
「かしこまりました、ご主人様」
レイセと呼ばれたメイドさんが指をパチンと鳴らすと、スタジオの中央に雀卓が現れた。すげぇ、今のメイドさんってこんなことできるんだ。
「自動?」
「自動でございます」
自動雀卓らしい。急に出てきた雀卓に驚いたのか、春奈ちゃんがこちらによってきれ、耳打ちで聞いてきた。
「今のメイドさんってこんな魔法みたいなことできるんですか?」
「おそらく?」
そうだ、メイドさんのステータス見てみよう。
◆◆◆
名前:レイセ
性別:女
年齢:0
種族:模擬悪魔
レベル:101
攻撃:43453
守備:60432
魔力:48999
知力:50143
精神:80931
速度:40011
スキル:【悪魔王:アスモデウス】
◆◆◆
……!? バケモンで草。そういえば前に名取さんが倒した悪魔が言ってた名前と同じ気がする。なんで名取さんに従ってるのか。
って気にしてる時間はないな。もうすぐ配信が始まるんだった。
「さて、そろそろ配信開始だね。みんな、カメラの方を見て」
「十秒前! 10! 9! 8! 7! 6! 5! 4! 3! ……」
スタッフさんの掛け声によって配信が開始される。まず挨拶するのは代表取締役の姉貴だ。
「どうもみなさん、こんにちは! 配信事務所セントラルライト代表取締役、長麦 心寧です」
「1期メンバーの名取 連だよ」
「同じく1期、九重 春奈です」
「1期の長麦 みいなです」
:始まったぞ!
:こんにちは!
:すごい面子なんだよなぁ……
公式のアカウントで配信をしているから、今回はコメント欄等を見ない番組的な配信となる。
「今回は昨日僕が言った通りみんなで麻雀をやっていくよ」
「少しルールを勉強してきたので私も頑張ります」
なんというか話すの難しい感じするな。番組に出ている芸能人の方々はいつもこのような中で話しているのだろうか。
「私は少しお姉ちゃんと麻雀やったことがあるので問題ないですね」
「みいなちゃんあなた弱かったんだから誇れないわよ?」
俺が弱いだって? いうじゃないか。前に俺以下でCPUに負けたくせに。
「お姉ちゃんだって人のこと言えないんじゃない?」
「だまらっしゃい」
:姉妹尊い
:仲いいんだなぁ
「まぁまぁ。早速始めようか。あれ、雀卓はあるけど牌ないじゃん」
「確かに牌がないですね」
「レイセ! 牌出して」
カメラに映らない位置に待機していたメイドのレイセさんが指を鳴らすと、雀卓の上に牌が現れる。さすがだな。
:???
:どういうこと?
:無から牌生成されてて草
「それじゃあやっていきましょう」
「私、負けませんよ」
◇◇◇
:笑いが止まらん
:なんだこれww
:最高の麻雀配信でしたw
結果として。
「……ドンマイお姉ちゃん」
「あなただって箱下3位でしょ!?」
俺たち姉弟は惨敗した。だんだんと俺たち二人の点数が削られて、最後には俺が親の時、名取さんに四暗刻を自摸られて一気に二人で飛んだ。
「その……ごめんなさい?」
「いやー麻雀、楽しいねぇ!」
:長麦姉妹弱すぎw
:名取の逆転劇もなかなか
「勝ち逃げで申し訳ないけど、今日は配信これで終わりだね」
「悔しいー!」
姉貴がめっちゃ悔しがってる。俺は最下位じゃなくてよかったぜ。
「明日以降、私たちはダンジョンを探索する配信もします」
「ぜひ見てくださいね」
春奈ちゃんと連携して宣伝も忘れない。ダンジョン配信も頑張ろう。
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