第24話 2回目のコラボ配信
後日。ついに俺達の二回目のコラボ配信が始まる。打ち合わせ等も事前に済ませているから、問題はないな。
「では始めます」
「はい。ではこちらも」
二人同時に配信を開始する。
「どうも皆さん、こんにちは。Aクラス探索者の九重 春奈です」
「こんにちは、先日、Bクラス探索者になりました。長麦 みいなです」
:コラボええなぁ!
:二人ともこんにちは!!
ミク:¥50000 おっはよー!!
二人で挨拶をした後、探索前の雑談としゃれこんだ。
「なんとみいなさんがBクラスになったということで、先日はお祝いのスイーツを二人で食べてきました」
「今話題のてんこもりぱふぇを食べてきました。なかなかいいものでしたね」
いろいろなスイーツが詰め込まれたぱふぇ。めちゃめちゃ美味かった。
話題だったし、俺達も一度SNSには上げているが、めちゃめちゃ美味かったので、ここでも自慢している。
:あれ食べてきたんだ
:まじで美味しいよね。なんであんなにてんこもりなのに美味しいんだろう
ミク:¥50000 ボクも最近札幌に来たから食べたよ! 美味しいよね!
「ミクさんも食べたんですね。というか、こちらに来てたんですか」
「もしかしたら、どこかで会うこともあるかもしれませんね」
俺の隣で、春奈ちゃんが苦笑しながらいった。あ、なんかいいな、この感じ。
:札幌にはいけません
:札幌住みでたまに外に居るみいなちゃんとか春奈ちゃんとか見るけど、圧がすごいから声かけとか無理
ミク:¥50000 ワンチャンあるかもね?
「さて、そろそろダンジョン探索に入りましょうか」
「そうですね、今日は30層からの探索になります」
俺達が探索を開始すると、いきなり、「奴」の気配がした。
「立て続けですね。『
「珍しいですね」
現れたのは、なんとバジリスク。お前最近多いぞ。次来たら出禁だからな!!
「私が前衛を張ります」
「お願いしますね」
前回と同じように、春奈ちゃんに前線を張ってもらい、俺は高火力の魔法を展開の用意をする。
しかし、それはかなわなかった。
背後から別の魔物が現れたからだ。バカでかい蜘蛛の魔物。どうしてこいつの気配に気づかなかったんだ!?
高さ20mはある洞窟の幅を優に埋める巨大な蜘蛛。
鑑定結果は以下のとおりだ。
◆◆◆
種族:デッドスパイダー
レベル:78
ステータス:攻撃 21148
守備 24212
魔力 8901
知力 9043
精神 15098
速度 6673
スキル:<闇魔法>
<呪毒>
◆◆◆
化け物め!! Sクラス中位レベルか!
「九重さん! 非常事態です! バジリスクは単身でお願いします!」
「了解です! できるだけ早く終わらせてそちらに向かいます!」
俺の勝利条件は春奈ちゃんがバジリスクを討伐するまで耐えることだ。
俺は右手を噛んで大量の血を辺りに漂わせる。
一斉にそれを硬化させ、壁を展開する。これで一時的に攻撃を防げるか?
「――冥府より来たれ、災厄の弓よ。暗く、より暗く。何者にも見通……くっ!?」
壁の裏に居たが、死の予感が強く浮かんだ。とっさに俺は横に転げて回避する。
すると、俺が今までいた場所に闇の奔流が押し寄せ、血の盾を当た方もなく消滅させていた。
俺は全力回避しながらの戦いが一番だと判断し、空を飛ぶ。
動きが鈍重なため、その巨大な腕の攻撃は当たらない。まぁ、当たったら一撃で死亡確定だが。
俺は定期的に飛んでくる闇の波動を避けつつ、なんとか火炎の弓を展開した。
闇の波動を全てよけ、火炎の矢を装填。そして、すぐさま放つ。
その業火は蜘蛛の左半身の足を消し飛ばす。
ここからは大分有利に戦えるか?
「遅くなりました!」
「九重さん! 一緒にやりますよ!」
これで前衛ができた! さぁ、ここからが俺達のターンだ。覚悟しろよ! デッドスパイダー!
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