第7話 姉貴と相談
ステータスの件は一旦置いておいて、いろいろSNSの状況について調べるために、俺は一度帰宅することにした。
家に着くと、やはりというか、姉貴が居座っていた。
「ただいま~。そういえばいつまでいるのさ」
「お帰り。まぁもう少しはいようかなって。今はここ私の名義だしさ」
そういえばそうだな。まぁ別にいいんだけど。
「それで、配信どうだった?」
「なんかバズったっぽいよ? トレンド入りだってさ」
姉貴にそう報告すると姉貴は特に驚いた様子を見せなかった。
「まぁそんな国を傾けかねない美少女だったらそうもなるでしょ。鉄は熱いうちに打てっていうし、明日も配信しなさい」
「えー……」
そんな連日で配信だなんて。まぁ別に疲れたりとかしたわけじゃないからできるんだけどさ、緊張とかあるじゃんよ。
まぁやるんだけどさ。
それはそれとしてSNSだ。
「SNSどんな状況になってるかな」
「お、私も見ておこうかな」
どうやら姉貴もSNSの状況を見るらしい。
トレンド入りしてたは……少しむず痒いが「#超美少女の初配信」だったっけか。
@hina_sakisaki:皆今初配信してるダンジョン配信の子見た!? マジで可愛すぎてやばいよぉ
@kinokohanikimattenndaro:あれヤバいて。ガチファンやる。アイドルよりもお金使いたいレベル
@tosagiri_s:私一目惚れした。収益化したら貯金全部なげる
ちょっと怖い言葉が見えるが、大体というかほぼ全部が好意見だ。まぁたまに所詮容姿だけだ見たいな否定意見も見えるけど。
まぁ姉貴と比べちゃ容姿だけなのはその通りなので何とも言えないけどな。
「お姉ちゃん、うちのチャンネル収益化とかするの?」
「収益化はするよ。それはそれとして私の事もう一回呼んでみて」
「え? お姉ちゃん?」
すると、なぜだか姉貴が無言で頭をなでてきた。なんだ?
「とにかく、今後もあなたは配信を続ける感じね。私が思うにあなたはすぐチャンネル登録者数100万を超えると思う。そしたらもう一人、配信者になってもらって事務所を立てようと思うわ」
……事務所を立てる? どういう発想をしてらっしゃるんだ?
「まぁもう一人には心当たりあるから、とりあえずあなたは配信を続けて登録者増やしてね」
「わかった~」
◇◇◇
翌日。俺は配信の前にどれほどまでの敵と戦えるのか試しにダンジョンに来ていた。
札幌地下大迷宮を速攻で駆け下り、19層にやってきた。この階層のボスはゴブリンジェネラル。Bクラスの魔物になる。その周りには囲いのゴブリンがたくさんいる。おそらく100はくだらないだろう。
「さてと、始めますか!」
俺はボスの間に入ってすぐ、昨日の夜覚えてきた範囲魔法を発動する。
「『
俺の前方にいたゴブリンジェネラルの囲いの魔物たちが焼け焦げ、消滅していく。前方に斬撃型の炎を飛ばすこの魔法。
「威力、上がってる」
明らかに威力がおかしい。範囲内に居たCクラスのゴブリンリーダーですら、一瞬で黒焦げになっていた。
「『
俺を中心に暴風が発生し、俺の周囲にいたゴブリンを吹き飛ばした。ゴブリン達は、叩きつけられ絶命する。周囲に突風を発生させる範囲魔法。このボス部屋全てが範囲内。さすがにゴブリンジェネラルはこの魔法ではやれなかった。
これで残りはゴブリンジェネラル以外いない。こんなものか。
「あとは君だけだね」
俺はゴブリンジェネラルを見据えてそう口にだした。
「グォォォォ!」
ゴブリンジェネラルには本来言葉を理解することはできないはずだが、挑発されていることはわかったのか、怒りをあらわにしてこちらにとびかかってきた。
「一撃で決めてあげる」
俺はゴブリンジェネラルが飛び上がった瞬間に血の剣を生成。そして、ゴブリンジェネラルがこちらに着地する直前に体高が4mほどあるゴブリンジェネラルの首元まで飛び上がる。
ゴブリンジェネラルが着地したその瞬間。
俺はその首を跳ね飛ばした。
「うん、Bクラスならこんなものかな」
正直、この体になる前とは体の動きが全然違う。身長が140cmもないからか、視点がとても低いし、腕が短いから剣を振る勝手が違う。
しかしそれを補って余りあるステータスの高さ。
ぶっちゃけうまくやればAクラスも余裕でやれると思う。地道にレベル上げ、していこうか。
さて、体の試しはこれくらいにして。
俺は二回目の配信の用意をしながらダンジョンの階層を駆け上がった。
配信では今日は4層5層の攻略の様子をお届けする予定だからな。
よし、いっちょ配信、頑張りますか~!
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