第31話

『えーっと、寺島榊さんですか?』

『あー、はい』


なんだこの反応?まるで知人であるかのようないや、もっと深い関係?


『.......私も榊ちゃんの恋人です.....。』

『...................』




......もしかして私、やらかした??


この人、榊の4人目の彼女?しかも、5股してるの知らない人じゃん。てかなんで私、ナチュラルに榊の恋人名乗ってんの。とりあえず誤解をとかなければ。


『あの、実はですね......。』


そこから先は.......。もう、思い出したくない。どうやって説明したらいいのか分からなくて、取り敢えず全部話した。ついでに、榊が5股していていたことも。(現在は2股だけど)


一応納得はしてくれたけど......

この後どうなるかは、榊次第かな。後は任せた。私の妄想の中の榊にサムズアップした。


『なるほど。なんとなく分かりました』

『誤解が解けてよかったです』

『でも、そうですか。またですか』

『......?』

『私、前の恋人にも股をかけられていたんです』

『それで、やけになってバーでいっぱいお酒を飲んでいたんですよ。そしたら、榊ちゃんが話しかけてくれて、愚痴も聞いてくれて、すごく嬉しかったんです。それで、好きになって馬鹿みたいですよね。』


お姉さんは、とても悲しそうな顔をして私に話してくれた。そして、ひとしきり話し終わった途端に泣き出してしまった。


『うぅ、ごめんなさい、わ、私なんかの話を聞いてもらって、迷惑ですよね』

『そんな事ないです。お姉さんは、悪くないです。悪いのは榊とお姉さんの元カレだけです』

『辛かったら、私がいつでもお姉さんの愚痴を聞きますから』


お姉さんが泣いていると、なんとなく幼馴染の影が重なってすごく胸が痛む。いや、泣いてる人を見たら誰だって優しくするに決まってる。


『ありがとうございます。こんなに優しくしてもらったのは久しぶりです。あ、あの....よかったら連絡先交換しませんか?』

『いいですよ』


私は、お姉さんと連絡先を交換し、教えてもらった道どおりに帰ろうとした。そしたら、服の袖を弱く引っ張られた。


『あ、あのお名前は』

『名前は、丸川沙矢乃です』

『それじゃ、また。道教えてくれてありがとうごさいました』




私は、家に帰って早々に寝た。理由は単純、疲れたからだ。しかも榊のことについても何も解決していないからだ。もうダメだ。

私は、考えるのをやめた。







後日......

榊が、お姉さんに振られたのは言うまでもなかった。




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前回の更新から遅れました。


あけましておめでとうございます


受験勉強も少し落ち着いてきたので、更新頻度を週一くらいにできるように頑張ります。


          

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