第28話

『落ち着いた?』

『.......はいっす。』

『今度からは、溜め込みすぎて爆発しないように適度に発散してね』


まぁ、榊の暴走から学んだ事があったから丸く収まったけど、きっと1人だと寂しいんだろうな。なんとかしてあげたいけど、榊の世話もあるからずっと一緒にはいてあげられないんだよねー。


『....沙矢乃さん。命令、今使ってもいいですか?』

『え?うん。いいけど』


一体このタイミングで何を命令してくるんだろうか。そんな警戒心は無用だったらしく、


『今日は、茜の家に泊まって欲しいっす』

『それくらいなら、いいよ』


もっと無茶なお願いしてくるかと思ったけど案外普通なお願いをするんだなー。


それから特にこれと言った事は起こらず、その日は終わった。強いて言うならば、一緒のベットで寝たくらいだろう。ずっと腕枕していたから二の腕がすごく痛い。これは、筋肉痛かな。茜ちゃんの家で一緒に朝ごはんを食べて、名残惜しいけど帰る事にした。


朝帰りになった私は、憂鬱な気持ちで道を歩いていた。何故ならば、


『榊が絶対なんか言ってくるよね。』


どうして毎度毎度私に、あたってくるのだろうか。本当に理由がわからない。私がいないだけで困ることなんてあんまり無いと思うんだけどねぇ。


そんなこんなで、家に到着。


『......ただいま』


私の悪い予感は、あたったかのように榊が玄関まで走ってきた。

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