第20話

私が家に帰れば、不機嫌な榊がいた。


『また振られた。』

『.....マジ?』


乃々華ちゃんは早速榊を振ったのだろう。地味に落ち込んでいた。


『でも、別にいいし、告白されたから付き合っただけだから』


なんか、弱いキャラの捨て台詞みたいな言葉言ってた。.....ちょっとダサい。


『自業自得でしょ、全く。』


そんな言葉は、榊に聞こえるはずもなく榊は、部屋に戻っていった。


静かになった部屋で、スマホの着信音が鳴る。


『電話してもいいですか?』


メッセージを送ってきたのは、乃々華ちゃんだ。了解のスタンプを押すとすぐに電話がかかってきた。


『沙矢乃さん、今日はありがとうございました。』

『気にしなくていいよ。子供を導くのも大人の仕事だからね』

『榊のことはいいの?』

『もうあんな人知りません。出会った時はいい人だと思っていたんですけど............ボソッ(今は沙矢乃さんが居るし).....』

『ごめん、聞こえなかった。なんか言った?』

『いえ、何も。それよりも今度の休みに遊園地へ行きませんか?』


遊園地か。んー、大人になってから一回も行ってないんだよねー。行きたいのは行きたいんだけど.....。絶叫系乗れないんだよね。どうしよう。


『いいけど、私絶叫系乗れないよ』

『それでもいいです。決まりですね。じゃあ、高校の時に着ていた制服で来てくださいね♪』

『普通にきついと思うんだけど。てか私もう今年で23歳だよ。』

『大丈夫ですよ、沙矢乃さん可愛いから』


制服か...。入るかな?いや、身長と体重はあんまり変わってないから入るけど、この歳にもなって制服かぁー。


『わかった。制服だね。』

『やったー、制服デートだ!約束ですよ、それじゃ』


電話が切れてしまった。私は、自分の部屋にある高校の時に着ていた制服を着てみる。


高校の時の制服は、ブレザーで、青のチェックのスカートに、赤いネクタイ、上着は黒色だ。


『.........案外まだ、いけるかも?』


高校の時からあまりウエストとかが、変わっていなくて、気分が舞い上がっていて一回転してポーズを取っていたら.....。


......ガチャ。


『あ』

『あ』


見られた。


『いや、これは違くて....。』

『......可愛い』

『................へ?』

『写真撮ってもいい?やばい、可愛い、すごい!天使かな?』


言ったそばから、カメラを連写する榊。

許可した覚えは無いけどね!


その日1日は、私の制服の写真撮影会が榊の気のすむまで行われるのだった。












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少し受験勉強が大変なので更新する回数が少なくなるかもです。_:(´ཀ`」 ∠):

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