第15話
茜ちゃんが帰った後、私は何故か榊の耳かきをしていた。
事の発端は、私がついうっかり榊に話してしまったことだ。
『ねぇ榊、もっと茜ちゃんと遊んであげなよ。茜ちゃん寂しがってたよ。』
『今日、茜が家に来たの?』
『うん』
『茜ちゃんが、誰も構ってくれなくて寂しいって言ってたから、たくさん甘やかしてあげたよ。』
茜ちゃんの可愛い姿を思い出しながら、あのときの茜ちゃんに癒されていると....
『.....茜だけずるい、私も甘やかして』
『いや、榊はそんな歳じゃないでしょ』
『私も寂しい。誰も構ってくれない。』
いや、あなた彼女4人いるでしょ。その内の誰かに構ってもらえや。
っていうか私、榊の4人の彼女の中で、知ってる人茜ちゃんしかいないや。家に連れてくるのは、だいたい寧々か茜ちゃんだけだったし。あと3人は、本当にいるのかはわからないけど......だって彼女がたくさんいるって事は榊に聞いた話だから。
『じゃあ、何して欲しいの?』
『んーと、耳かきで、あと膝枕つきね』
ほんと、膝枕好きだよね。もしかして、太ももフェチとか?確かに柔らかくて気持ちいけどね。
『今、なんか変な事考えてるでしょ』
『考えて無いよ、ほら、耳かきするんでしょ、早く来て』
ゆっくり、ゆっくり近づいてくる榊の頭を私の太ももに乗せて耳かきスタート。
まずは、普通に耳かきをしようかななんて思っていたけど.....案外耳が弱いのかな?
『っん』
そんな声を出した榊に、私の中のイタズラ心が芽生えて、つい遊びたくなった。
榊の耳に少し息を吹きかけた。
『.........ふぅー』
続けて耳の中を少し、綿棒でくすぐったり息をかけたりして遊んだ。
『いやっ、あっ。んん〜ッッ!』
『うぅ、沙矢乃、ま、じめに、やって』
『耳かきしてるだけだから、我慢して』
涙目で、上目遣い気味に私を見る榊をこれでもかと言うほどにいじめまくった。
.......結構楽しかった。私って結構Sなのかな?
耳かきが終わった後に、榊が
『次、私がやるから』
っと言ってきた。でも、たぶん無理だと思うよ。だって足震えてるし、声も震えてるし耳かきできる状態ではなかったので、丁重にお断りした。
『沙矢乃ばっかりずるい』
『しょうがないじゃんか、どうみても今の榊じゃ無理だって』
『うー』
こうして、榊の耳かきは終わったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます