第14話

『じゃあ、まずして欲しいこととかある?』

『頭をなでてほしいっす』


言われた通りに茜ちゃんの髪を撫でる。茜ちゃんの髪の毛めっちゃさらさらだ。

あと、すごく触り心地がいい。


茜ちゃんは、私に撫でられて気持ちよさそうに目を細めている。なんか猫みたいでめちゃくちゃ可愛い。

もういっそ、このままここで飼いたいくらいには可愛い。


『ねぇ、茜ちゃんってやっぱモテる?』

『そこそこですかねー』


やっぱりモテるよね。なんてゆうか存在が可愛いっていうか、こうゆうのが癒し系女子っていうのかな。


『そういえば、なんで茜ちゃんは榊に告白したの?』

『ノリっすね』

『ノリかぁー.....』


今時のJKってノリで告白すんの?なんて言うか、複雑だなー。いや、茜ちゃんが特殊なだけか。


『次は、たくさん褒めて欲しいっす』

『おっけー』

『茜ちゃんは、いつもよく頑張ってるよ、偉いね。もっと我慢せずに、わがまま言っても大丈夫だからね。』

『はいっす♡』


この年頃の子は、きっと素直に甘えられなくて困っているんだろうなー。私もそうだったし。


『じゃあ、最後にほっぺにキスしてくださいっす』

『うん.....。うん!?』


いやいや、待て。キス!?しかもほっぺに。無理無理いくらなんでもそれは、恥ずかしいよ。.....ちょっと!?無言でほっぺこっちに向けてくるのやめよっか。


『ま、待って!違うのにしない?』

『だめっすよ、これで最後ですから』

『それとも、沙矢乃さんは茜のこと嫌いですか?』


....あざとい、あざとすぎる。

あと泣きまねやめて、地味に刺さるから


『わ、わかったよ』


私は、覚悟を決めて茜ちゃんのほっぺにキスをした。..........柔らか。

とっさに、顔が熱くなりそうなのを我慢して顔を背けた。平常心を取り戻し、茜ちゃんの方を見ると..........。

顔が真っ赤だった。


『えっと、大丈夫?』

『沙矢乃さんって、相当な女垂らしですよね。』

『いや、違うよ!』

『も、もう帰ります。ありがとーございました。』


なんだったんだろう。嵐のように過ぎ去っていった茜ちゃんを見送り、

ま、いっか。と眠りにつく私であった。




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