第2話

事件が起きたのは2日後だった。


『榊、これはどういうことなのよ!!』


榊の5人の彼女さんの1人である蓑輪寧々(みのわねね)さんが声を上げて怒っていた。


『誤解だよ!寧々』

『何が誤解よ、じゃあコレはなんなの?』


そう言う彼女の手には証拠である榊のスマホが握られていた。


『うわぁ〜ついにバレたか』


私は自分の部屋からそのようすを伺っていた。いや逆にどうしていままでバレてなかったんだよって話だけど。


どうやら他の彼女とのLINEを見られたようだ。自業自得だね。


『榊なんてもう知らない!別れよ』

『まって、寧々話せばわかるって』


そう言いつつ寧々さんを止めるも突き飛ばされ、寧々さんは行ってしまった。


『大丈夫?』

『大丈夫なわけ無いじゃん、状況考えてよ。』



まぁ、そうだよね。彼女に振られたのに正気でいるやつの方がおかしいか。


『せっかくなぐさめてやろうと思ったのに....言い返せる程の元気があるならいいか。』

『ま、待って!』

『慰めるって具体的には?』

『いや、普通に頭撫でるだけだけど』

『はぁぁぁぁ〜』


せっかくこの私がなぐさめてやろうと思ったのに。

そう思いつつ榊の頭を撫でる私。




こいつ振られてたのにもう気にしてなさそうな顔してるぞ。ますます意味がわからん。普通振られたら落ち込むもんじゃないの?まぁ別にいいけどさ


『ねぇ沙矢乃、カラダで慰めてよ』

『嫌だよ、てか榊まだ4人彼女いるでしょ』


そう言って近づいてくる榊を全力で押し退けて部屋へ戻ろうとする私。


『ちょっとくらいいいじゃんケチ』


最後なんて言ってるかわかんなかったけどまぁいいか。そう思いつつ部屋へ戻った。

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