第4話
「さてと、どうしたものかな」
下界に降りてきた。
輪はガラス球になっても、天使の翼だけはそのままなようだ。
「出し入れは出来ないのかな」
『出来ん』
「どうして?」
『翼のない天使なんて、しゃれにならない』
「規制は?」
『淑女たれ』
「あっ、そう」
疲れるな。
着地成功。
無事に地面に降りた。
地上に来るのは、いつ以来だろう?
まだ出来立てほやほやのころに、来た気がする。
私は、出来たころからこの姿。
丁度、18年になる。
天使には、生死の概念がないので、18周年と表記する。
物じゃないんだから・・・
えーと、ここは公園かな?
前来たときは、もっと小汚かったような。
18年もあれば、まあ奇麗になるかな。
『ごちゃごちゃ言ってないで、早く住居を決めろ』
神様の声がするが、気にしないでおこう。
さてと・・・
まずはこの格好は目立つな。
あれ・・・
あそこにいるのは確か・・・
声をかけてみるかな。
覚えていないと思うけど。
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