ネガティヴ・ケイパビリティ―33日目
まえの日の日記で、キーツの「ネガティヴ・ケイパビリティ」という言葉にふれました。それがどういう意味なのかって、じつはよくわかってません。渡邊さんも吉増さんも、この言葉を出したときになにか説明していたとは思うんですけど――わたし、読みかえしたらいいのに!――なんか、よくおぼえてません。「普通の人は、芸術行為、創造行為というと、ポジティヴなものだと思ってると思うんです。だけども、むしろそれはネガティヴでありパッシヴである。」って、これは吉増さんのお言葉なんですけど、だからまあそういう話なんだろうな、とは思うんです。詩は、わたしが、頑張って、こしらえる。っていうより、詩にとって大事なことっていうのは、なんか向こうからやってくるもんなんだ、っていう感じなんでしょうか。あれ? でもこれって、わたしすでに知ってる。19日目の日記で書いた「心情の間歇」だ! プルーストだ! プルーストはあるところでこんな風に書いてました。「日ごと、私は、知性というものに大して価値を認めなくなりつつある。作家が、遠く過ぎ去ったさまざまな印象のうち、何ものかを取り戻すことができるのは、言い換えると、彼自身のうちの何か、つまり芸術の唯一の素材となるものに到達できるのは、知性の埒外でのことでしかない」。これってまさに、ネガティヴ・ケイパビリティなんじゃないのかなぁ?
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