わたしが詩の性格だと思っていたこと―25日目
まず谷川さんはどう書いているのかっていうと。「私はいまだに自分の散文の文体をもっていないような気がしている。詩の場合には意識してさまざまな文体で書き分けることを試みているけれど、そういうやりかたで散文を書くことは不可能だ。」「散文は書き分けることができない。散文はただひとりの自分という個にその根をおろしていて、書き分けようとすれば、個は分裂してしまう。書いたものに生身の人間として責任を負わねばならないのが散文というものだろうと私は考えているが、その責任の負いようがなくなる。」「だが詩はもっと無責任なものだ。」わたしは、ほとんどまったくこれと同じようなことを、詩文の性格だって思ってました! 詩って、「わたしが」書かないといけないから、詩ではぜんぜん嘘が書けなくって大変だ、って。散文ってわたしは小説のことを考えるんですけど、小説の語り手ってべつに「わたし」じゃないから、小説だったらなんでも書けて、詩ほどは大変じゃないからなぁと、思ってました。谷川さんのこれを読んだときに、「詩も小説を書くみたいな書き方をしたっていいのか!」って、ある意味ではちょっと気楽に、なったのでした。
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