荒川洋治『実視連星』―17日目

ちょっと電車で遠出をした日に持ち歩いていたら、その日一日のうちに読み終わりました。電車読書ははかどります。荒川さんの詩集を読むのはこれで二冊目。荒川さんのことはこれですっかり分かりました。というわけにはもちろんいきません。ぜんぜん分かってません。「かなしいことに石川は 自分を感じることができない/社会をしか感じとれない、/利己的な人間になってしまった それは重くかなしい病気だ」というフレーズには、思わず線を引いてしまいました。まあ実際には引いてないんですけど。詩集に線なんか引けません。社会のことを感じていて自分のことを感じていない人を、利己的な人だっていうんです。その反対じゃなくて。そしてそれが重く悲しい病気だっていうんです。しびれました。

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