閑話 それぞれのGW【志賀編】

 俺の楽しみは寝っ転がりながらアニメを見たり、漫画やラノベを読むことだ。

 あの快感は何がどうなろうとやめられない止まらない。本当に最高だ。


 俺はいつも休日になると漫画やラノベよりもアニメを優先して見る。漫画やラノベは平日に、アニメは休日にと分けることでどちらも同じくらいの熱量を注ぐことができるのだ。我ながらこの工夫は天才だと思う!


 とはいえGWくらい休みが続けば漫画やラノベも全然オッケーなのだが、今日は見たいアニメがあるのでそれを見ていくことにする。


 俺が今から見るのはこの間SNSでオススメされていたアニメで、女子高生が日常を飛び出し、共通の目的を果たそうと遥か遠い場所を目指し旅に出る青春モノだ。


 早速テレビで再生する。この瞬間のワクワク感がたまらない。あー、やめられない止まらない。


 ──始まった!


 良い導入だ。早速虜になってしまいそうだ。


 ──おお! OPめっちゃいいなこれ!


 素晴らしい楽曲にハイレベルなアニメーションが相まって至高のOPだった。テンションが上がる。


 ──主人公のキャラいいな。


 ちょっぴり天然気質で、でも強さみたいのも持ち合わせていて、いいキャラしているなと思う。


 ──お? もう一人メインキャラが出てきたぞ?


 主人公のふわふわ感に反してしっかり自分を持っていて芯の部分に強い意志がある感じがいいキャラだ。


 ──これがこのアニメのテーマか!


 それまでは他人だった二人が互いを認識し、同じ目的のために立ち上がるシーンを見て俺は確信した。


 ──これは紛れもない神アニメだ!


 すっかり虜になった俺は、それからノンストップで一気見した。

 結果、号泣した。


 出会うまで赤の他人だったメインキャラの四人の女子高生たちが同じ目的のために切磋琢磨し、過去と向き合い、今を乗り越えていく。その強さが俺の心を震わせた。


 いつからか芽生えた友情がそれぞれの生きがいのようになっていく。本当にこれイイ!

 特に終盤、日常を飛び出すきっかけを作ったキャラが長年連絡の取れていなかった母親の死を知った瞬間とか、号泣しすぎておかしくなるかと思った。


 その事実は残酷なものだったけれど、でも彼女には一緒に泣いてくれる仲間がたしかにそこにいた。今の彼女にはこれまで数多の困難を乗り越えてきた大切な仲間がいる……。


 ──あー、まじでよかった。


 なんだか見終わった後の喪失感がやばい。なんだろうこの気持ち。今すぐ走り出したくなるような気持ち。

 よし、決めた! 俺はここに宣言する!


「俺も日常を飛び出して、何かに挑戦してみせる!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る