第8話 チュートリアル特典①
時間は19時になった。
おなかもすいてきたところだが、とりあえず3階の会場に向かう。
岡部さんから聞いたチュートリアル特典をもらうためだ。
――会場に着くと、もう人は数人しか残っていなかった。
明らかに戦意喪失して座り込んでいる女の人。
老人夫婦らしき人。
そして今まさに目の前にいるスーツの男の人に怒鳴り散らかしている男の人。
「どぉーなってんだ!なんで特典がもらえねえんだ!!おかしいだろ!!」
鼓膜が痛くなる大声でスーツの男に吠えている。
こいつは確か、説明を聞かずに出ていった一人か。
「こちらは、会場にてルールの説明をお聞きになったプレイヤーのみの特典となっております。おおむら様は、ゲーム説明開始と同時に会場を出られておりますため、特典をお渡しすることはできません」
淡々と答えたスーツの男は、博人に話しかける。
「お待たせいたしました。特典の方お渡しいたします。明日になりますと報酬確定となります」
そう言って、紙を博人に渡した。
その様子を見ていたおおむらは、またスーツの男に詰め寄り文句を言い始めた。
博人は二人から離れ、会場の端にあった椅子に座り、特典を確認した。
『
チュートリアル特典
・ランダムステータス中上昇
・LUK-1
・ 』
おおむらという人が詰め寄るのも分かる気がした。
破格の報酬すぎる。
どれくらい上昇するのか分からないが、ステータス中上昇は《ベアーズ》でも取り扱っていなかった。
今手に入るのは、この特典だけなのだろう。
博人は心の中で松本さんに感謝を伝えた。
佐伯博人(さえきひろと)
STR:不明 VIT:不明
INT:不明 DEX:不明
AGI:不明 LUK:不明+3-1
HP :不明
【冷静】【視力小上昇】
※ご覧いただきありがとうございます。
ちょっとでもいいなと思ったら、☆や♡をいただけると、励みになります!
ぜひ、書き方のアドバイスもください。待ってます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます