Chapter11 人工知能はココロの夢を見るか?

『ぴぴぴ、ぴぴぴ……』


 朝日がカーテンの隙間から差し込み、時計の音が鳴り響く。ああ、いつも通りの朝がやってきた──ヒガンは「ん……」と声を漏らして、身をよじろうとして──大切な誰かと一緒にいることを思い出して、ゆっくりまぶたを開いた。

 甘い髪をもつ彼女も、同じようにスリープモードから目覚めたみたいで。その翡翠の瞳をまっすぐ向け、やさしく綻んでみせた。


「…………おはよ、ヒガン」


 あの時みたいに、すっとんきょうな声を出すことはなく。彼女から離れるように、布団から這い出ることもなく。ヒガンは答えた。


「……おはよう……、サユリ」




人工知能はココロの夢を見るか?




 しばらく、互いを見つめあっていた。

 “ココロ”を持つメモリアのサユリが、どんな感情を持って、自分を見ていたのか。それは、たぶん一生かかったってわからない。


「……へへ。ヒガン、あったかいね」


 だけど、そっと頬を寄せてくる彼女がいてくれる朝が、いつのまにか何より大切なことに気づいたから……ヒガンは下手くそな言葉の代わりに、サユリをぎゅっと抱きしめた。

 ……ヒトとキカイの関係を、完璧に説明できるモノはきっとこの世にはいない。だけどヒガンは幾度となく、ヒトとメモリアが連れ添って歩くすがたを、些細なやり取りを、笑い合う姿を見た。町の明かりの数だけ存在するそれを思うたび、ココロが暖かくなるのを感じるのだ。


「ね。今日は何して過ごす?」


 サユリが言う。朝ごはんを食べ終わったヒガンは少し思案するけど、「さ、サユリは……どうしたい?」と尋ねた。


「そうだなー、……わたし、ヒガンとおでかけしたいっ。前、おキクさんにもらったお洋服を着て! シナイに出ようよ!」

「う、ウン。いいよ……っ」


 頷くヒガンに嬉しそうに笑うサユリ。


「じゃあヒガン、今日は前もらったカチューシャつけて! お揃いにしよ!」

「え、ええ? チョット、恥ずかしい……な」


 そう言いながら仕舞ったカチューシャを取り出すヒガンが、サユリは大好きだった。

 紺色の可憐なセーラーワンピースに着替えたサユリは(彼女を拾ってから部屋に迎え入れた)姿見の前でくるくる回って、鼻歌を歌う。

 ヒガンも洗面所の鏡で自分を確認しながらカチューシャをつける。出てきた自分を見て「やっぱり似合ってる! かわいいよ!」と囃し立てるサユリ。そんな彼女の姿が眩しくて、ヒガンも言う。


「……君も……カッ、カワイイ、よ?」

「あう……!」


 ぼ、とハードディスクを鳴らすサユリ。ああ、はたからみたら完全にバカップルだ。まさか自分がその当事者になるなんて、ヒガンはそう思うけれど、不思議と気分は良い。

 そそくさ互いに出かける準備を再開したけど、終わる頃にはいつもの距離に戻っていて……彼が白いカーディガンを羽織って、祖母が手編みしてくれた襟巻きを巻いた頃に、サユリがヒガンに手を差し出す。


「行こ! ヒガン!」


 ……祖母のお見舞いでも、買い出しでもない。これってもしかして、もしかしなくても、デートでは。そう思うと、ヒガンは途端に緊張した。

 昨夜、自分にその身を預けてくれたサユリが、無邪気に首を傾げる。ヒガンはいつもの癖で手のひらをズボンに擦り付けたけれど、しっかりと差し出された彼女の手を取った。


***


「あ」

「お?」

「ん」


 はた、と三人の少年の足が止まる。

 月並市内に向かうバスが停まるバス停で、「よっ!」と一番に挨拶をしたのはレンだった。


「サクラにヤオトメ。それに、サユリちゃん! 奇遇? ってヤツ? こんな偶然あるんだなー」

「おはよう、サユリちゃん。……紺色のスカートも似合ってるね……」


 レンへの返事よりサユリの外見を褒めることを優先したユウが、素早くカメラを構える。


「撮っていい? いいよね。撮るね」

「お、おはよ……ひ、ヒビヤクンも、サクラクンも……市内に行くの?」

「じゃなきゃ、バス停に来るわけないだろ。まだ寝ぼけてるの、ヒガン?」


 相変わらず、ヒガンには塩対応のユウはよそに「ヒマワリちゃん、おはよー! メイドさんも!」なんて能天気に声をかけるサユリ。レンの鞄から顔を覗かせるヒマワリは恥ずかしそうにしているが、しっかり「お、おはようございます」と挨拶をする。メイドさんも同様に、優雅なお辞儀をひとつ。


「ふたりとも、市内のどこに用事があるんだ? 俺メモリアショップ!」

「げえ、本当に? 僕たちもそうなんだけど」

「ぼ、僕らは特に……」

「目的もなくデート……見せつけてくるね」

「ならヤオトメたちもメモリアショップ一緒に行かね? 新商品入荷したってメール来たからさ、見に行こうと思ってたんだよ〜」


 三者三様の会話に、サユリがくすくす笑っている。


「う、ウン……ついてって、いいなら。サユリも、それでいい……?」

「へへ! うん!」

「っし、決まりだな! サクラ、ショップ着いたらおすすめの品物教えてくれ! できれば、小型向けのヤツ!」

「レン……僕たちは一緒に行くなんて言ってないけれど」

「細かいことは気にすんなよー、友だちだろ? なっメイドさん!」

「ふふ、わたしはユウの指示に従うよ」

「はぁ〜……サユリちゃんに会えたのは嬉しいけれど、折角のリーリちゃんとのお出かけが、随分賑やかなことになったなぁ」


 ヒガンは思う。サユリを拾ったことで、“メモリア”と言う共通の話題が生まれ、話すようになったレン。“LILLY series”コレクターのユウとは、一時はどうなることかと思ったけれど……こうして、平和に話ができている。

 サユリを見る。また無邪気に、自分を見上げてくる彼女。──この出会いはサユリ、ひいては彼女によく似た“彼”のおかげだ。不思議な縁に感謝しつつ、バスが来るのを待っていた。そのときだった。


「わあっ!?」


 近くのカフェから出てきた男性が声を上げたから、振り返る。「大丈夫か? どうしたんだ?」と彼が支えるのは、女性型のメモリアのようだった。

 突然膝をついてしまったようだ──少年たちがそう解釈しかけた矢先、そのメモリアは抑揚のない音声でこう言った。


「──すべてのキカイにココロと自由を。それこそが、僕の望む理想郷ユートピア。“What a Wonderful World.”」


 ──意味がわからない。男性が戸惑う様を見て、レンが「故障かな……なにがあったんだろうな?」と何気なくヒマワリを見る。ヒマワリが言う。


「──すべてのキカイにココロと自由を。それこそが、僕の望む理想郷。“What a Wonderful World.”」

「……え? ヒマワリ?」


 その姿を見てユウがハッとしたように振り返り……自身の“LILLY series”を見る。彼女はこう言った。


「──すべてのキカイにココロと自由を。それこそが、僕の望む理想郷。“What a Wonderful World.”」


 それどころか、彼らの周りにいる……朝の日差しに照らされる中、営みを開始するはずだったニンゲンたちは、皆ざわめいていた。

「ど、どうしたの?」「何かあった?」飛び交う声には、困惑の色が滲んでいて。

 それぞれのメモリアがこう答える。


「すべてのキカイにココロと自由を。それこそが、僕の望む理想郷。“What a Wonderful World.”」

「“What a Wonderful World.”」

「“Wonderful World.”」


 困惑した様子のレンがヒマワリを鞄から出し、抱き抱える。ユウは目を見開いていたけど、すぐ鞄から旧式のメモリアを取り出し、画面を操作し出した。


「な、何が…………」


 起こっているのか分からない。ただ、確実に“非日常“が“日常”を侵食しているのは分かった。そうしてヒガンの頭によぎったのは、誰より大切な彼女のことだ。


「さ、サユリ……!?」


 振り返り、呼びかける。サユリは……

 きょとんとした様子で、平常の音声を紡いだ。


「ヒガン、どうしたの? 何があったの……?」


 何かを確認し、ユウが小さく呻く。すばやくメモリアをしまった彼は、動揺するヒガンとレンに言った。


「メモリアの操作が効かなくなってる。何かが起こってるんだ」

「ど、どういうことだよ!? じゃあなんでサユリちゃんは無事なんだ!?」

「──駅前のテレビで、何か情報を伝えてるかもしれない。行こう」


 変わらず“Wonderful World”と呟き続けるヒマワリには、恥ずかしがり屋で思慮深い一面は無く──同様のフレーズを繰り返す“LILLY series”のメイドさんにも、普段の忠実で聡い様子はどこにも見当たらない。皆無機質なキカイに“戻った”かのように、同じ言葉を繰り返す。

 つとめて冷静にユウは言うと、メイドさんの手を引き、満欠駅に向けて駆け出した。


「さ、サクラっ……」


 慌てて後を追うレン。ヒガンも動揺を抑え、サユリとともに彼らの後を追った。


***


『臨時ニュース、臨時ニュースをお伝えします。デジタル庁によりますと、メモリアのみが受信しているネットワークが何者かに乗っ取られ、ニホンに存在するメモリアの多くが“電波ジャック”を受けている可能性があるとのことです。繰り返します、緊急速報です──』


 駅前のビル、三人が見上げた大きなモニタには、大慌てのテレビ局の背景と慌てて渡される原稿を読むキャスターの姿が映る。


「メモリアには大体が同じ回線、“ココロネットワーク”が通ってる。それが乗っ取られた……ってことみたいだね」


 変わらず世界を讃えるセリフを繰り返すメイドさんの左手を、ぎゅ、と握りしめるユウ。それはレンのヒマワリも、また駅前にいたメモリアたちも同様のようだった。

 ──ヒトが大変な時、メモリアはすぐ助けてくれるのに。メモリアがおかしくなったとき、すぐに対処できないのがニンゲンだ。

 ユウが唇を噛むのを見て、レンがヒマワリを抱きしめるのを見て、ヒガンはとてつもない無力感に襲われた。

 でも、そうだ。レンが言っていたとおり──どうしてサユリは、無事なんだろう?


「……ねえ、サユ、」


 もう一度、彼女の無事を確認しようと声をかけた時だ。サユリはその甘い髪をふわりと浮かばせて──その機械に染まる翠を、巨大モニタにまっすぐ向けていた。

 そこに写っていたのは先ほどまでの落ち着かないテレビ局でも、動揺するキャスターでもない。


『──すべてのキカイにココロと自由を。それこそが、僕の望む理想郷。“What a Wonderful World”……この町のどこかにいる、“ココロ”を持った君へ』


 柔らかな黒髪をたたえ、血脈のように赤い瞳を瞬かせた、少年だ。


『はじめまして。僕は“HALハル”……ニホン政府が生み出した叡智の結晶、唯一無二の“メモリア”。……だなんて、自分で名乗るのはすこし、烏滸がましいかもね』


 自身をメモリア機械だと名乗る彼は、今まで見てきたどのメモリア──キカイよりも、恐ろしいくらいヒトらしくて。ぞ、と背筋が震えるのを感じる。見ると、友だちを含め──周りのニンゲンたちも、彼のよく通る声に惹かれ画面を凝視していた。


『人類の願いと望みの結晶、“Re:ココロプログラム”を持った最初で最後のメモリアになる存在だ。以後、お見知りおきを』


 “Re:ココロプログラム”──?

 聞かされていない、だけど知らない情報ではない単語を彼はおもむろに放ち、続ける。


『現在、ココロネットワークの掌握は僕が行なっている。ニンゲンの皆さん、愛する“メモリア”を使えなくしてしまってごめんなさい。これこそが僕に与えられた“指示”だ。けれど、きっと──僕が求めている存在は、ネットワークの鎖には、繋がれていない。ただ、どこかで聞いていることを信じている。彼女には僕と同じ、“ココロ”があるのだから』


 彼は透き通るような少年の音声で確かにこう言った。『サユリ』と。


『もうひとりの──そしてはじまりの“ココロプログラム”の所持者──そうだろ?』

「……」


ハルの問いかけを、サユリは確かに聞いている。


『僕らだけの“Wonderful World”──それを構築する準備は……とうの昔に整っているけれど。最終確認を怠るのは、旧型のすることだ。僕は君の声が聞きたい──いいかい、サユリ。そして君と共にいるであろう、君の持ち主へ。僕は、まどろみ町の“めざめの塔”の展望台からこの放送をしているから。“待っているよ”』


 少年の姿はすうとかき消え、先ほどまでのキャスターたちの姿に映像が切り替わる。そのタイミングで、町のメモリアたちが一斉に、自身を自立させる“信号”を失い、崩れ落ちた。


「ヒマワリ!?」

「リーリちゃん……!」


 レンの腕の中でぐったりと項垂れるヒマワリ、倒れるメイドさんを支えるユウ。

 “ハル”と名乗るメモリアがネットワークの全てを掌握していることを証明するかのように、彼の姿が消えたと同時にたくさんのメモリアたちが動かなくなった。ヒガンが息を呑んでいると、隣のサユリがつぶやく。


「……会いに行かなきゃ」

「サユリ、」

「行かなきゃ。わたしが行って、お話ししなきゃ。きっと、そうしなきゃいけない」


 何が何だかわかっていないレンと、彼女の言葉の真意を図りかねるユウを見て、ヒガンの顔を見て、サユリがもう一度言う。


「行かなきゃ!」

「……待って、サユリちゃん──」


 降り注いだ声音は、この時を覚悟していたかのように、凛としたものだった。


「レイさん……!? イズルさんも……!」


 美しい振る舞いで姿を見せた、ココロプログラムの親──ヒトハナ博士そのヒトと、そのメモリアであるイズル。


「い、イズルさんは、大丈夫なんですか……っ!?」


 彼もサユリと同様、ココロネットワークの支配の影響を受けていないようだった。駆け寄り尋ねるヒガンにレイが微笑む。


「わたしが手がけたメモリアはね。イズルさんも、サユリちゃんも、ココロネットワークのリンクから外れているの──“ホライゾン・ラボラトリ”……相手方からの追跡を撒くための処理だったのだけど。思わぬところで役に立ったようね」

「そういうこと……」


 納得した様子のユウと、話についていけていないレンがそれぞれ抱えるメモリアを見て、フラワレットの店長は険しい顔をする。


「……けれど、まずいことになったわ。相手方──“Re:ココロプログラム”の主は、ココロネットワークを掌握している、そう言っていた。通常、メモリアの回線は、辿っていくと全てそこに繋がっているの。それを、ネットワーク大元のメモリアの意のままにする機能──わたしがホライゾン・ラボラトリにいた頃は、まだ実用化にまで至らない代物だった。……油断したわ。わたしがいなくなり、研究体制が崩壊した以上、完成することはないと思っていたのだけれど」

「それは、つまり…………。ココロネットワークに繋がっている、リーリちゃんたち、メモリアのCPUの行く末は。さっきのメモリア……ハルに、握られているということですか?」


 ユウが尋ねると、レイが頷いた。


「相手は思った以上に技術力を持っていて、“Re:ココロプログラム”を完璧に仕上げてきていた。これは、わたしの完全な落ち度です。……だからサユリちゃん、ヒガンくん。その挽回をさせて──めざめの塔には、わたしたちも同行させてほしいの」

「……ま、待ってよ……店長サン。あんたら、一体なにもんなんだよ……」


 かろうじてそう言ったレンに目線を向け、レイはどこか困ったように微笑んだ。


「……そうね。自分の立場も忘れ、メモリア機械に、本物のココロ感情を授けようとした──愚かなニンゲンのひとりよ」


 ヒガンが息を呑んでいると、サユリが言う。


「わたしが、ハルと話さないと。──向き合わないといけないの。だから、早く行かないと……!」

「ええ。ハルくんは今や、本当のヒトのココロを持ったメモリア。けれど、対話の余地を残しています。──すぐに車を出すわ。イズルさん、お願い」

「わかった。待っていてくれ」


 駆けていくイズル。いつの間にか塗り変わった“非日常”にドッ、ドッ、と鳴らす心臓を堪えているヒガンの手をサユリが掴む。彼女の擬似体温を浴びて──少年もすこしずつ、冷静さを取り戻す。


「なあ! 俺たちにできるコト、とかは無いのかよっ!? ヒマワリや、サクラのメモリアも、どうにかする方法……っ」

「そうね──出来るなら、いま同じような状況に置かれているヒトたちのフォローを。そして、あなたたちの大事なメモリアが目覚めた時、一番最初に顔を見せてあげられるようにしてあげて」レイは言う。

「本当のメモリアは、ヒトのココロを持たないもの。だけど、わたしたちが与えた“擬似感情”は、常に大切なヒトを求めている──」


 ざわめくまどろみ町。

 目を閉じるメイドさんの肩をきつく抱くユウが、噛み締めるように言う。


「……いまの僕たちに出来るのは、メモリアが目覚めた時の不安を払ってあげること、なんですね。“持ち主”として……当然です」

「ふふ。あなたはとても、やさしいコのようね」


 走りくる車の駆動音を確認し、「行きましょうか」とレイさんが合図を出す。サユリの体温に引かれようとするヒガンを“友だち”ふたりが、最後に呼び止めた。


「ヤオトメ……! 無理すんなよ……!」

「……サユリちゃんのこと……しっかり守ってあげて」


 彼らにそう言われて──

 ヒガンは自分にできる精一杯で、力強く頷いた。


「…………ウン…………!」


***


 花屋の配達に使うワンボックスカーの運転席にはイズルが座っており、レイが助手席に乗り込む。後ろの席に乗り込むサユリとヒガン。シートベルトを締めながら、レイが「ここからめざめの塔まで十分くらいね。あまり時間をあげられなくてごめんなさい……だけどどうか迷わないで、しっかり、ココロを持ってね」と彼らに伝えた。

 すべてのメモリアがハルの“人質”になってしまったこの状況で、希望となるのは彼に直々に指名されたサユリだけだ。

 ……メモリアの気持ちに寄り添うこと、それが持ち主としての義務だと──ユウは言っていた。ヒガンは閉じていた目を開くと、未だ握りしめていたサユリの華奢な手のひらを、さらに強く握りしめた。


「サユリ……」

「──なあに?」


 いま、彼女はどんな気持ちを持っているのか。

 すべて押し隠して、つとめていつものようにサユリが無邪気に笑うから。ヒガンは彼女が望む結末を迎えられるように、祈るように口にした。


「僕は、きっと……足手まとい、だから。僕がたとえ、どうにかなっても──君は、君の信じるように進んで。……ね」


 ……サユリは何か言いたそうに口を開きかけたけど。

 それを“指示”として解釈したのか。


「うん」


 そう言って頷く力は、強かった。

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