第9話 冷や汗

☆(遠野和葉)サイド☆


あの女子。

私は.....眉を顰めながら歩いていた。

そして中庭に行ってからお弁当を食べる。

廻とあの先輩の事を考えながらだ。

それから私は考え込む。


「.....」


どうしたら廻を陥落させる事ができるか。

何度も言っているが私には富嶽もそうだが廻もとても大切だ。

2人はなくてはならない存在だ。

私は考える。

どうすれば2人を手に入れれるかを。


「そうなると無理やりしかないよね」


そんな事を呟きながら私は目の前を見据える。

私は決して壊れた訳ではない。

だが時には壊れるのも大切ではないかと思った。

そう考えながら私は顎に手を添える。


「まあ考えても無駄か。.....今は食事に集中だ」


栄養補給。

これはとても大切な事だ。

性欲を維持する為にもとても大切だ。


だから私はしっかり食べて睡眠を摂ってから.....全てを見据えようと思う。

考えながら私は食事をしっかり摂った。

さっき渡し損ねたお弁当は.....ここで消化した。



私は消化してから中庭を後にしてそれから廻の教室に行ったが廻が居なかった。

あの女子が一緒だと思われる。

考えてから私は(今は妨害する意味がない)と考えた。

何故なら今襲えば廻に更に嫌われる恐れがある。


ならば今は力を貯めるべき時だろう。

そう考えた私は図書室に向かった。

ここでいつも本を読んでいるからだ。

本は面白い。

何故かといえば訳が分からないものも学べるから。


「.....」


私は図書室にやって来る。

すると図書委員の杉本杏奈(すぎもとあんな)さんが居た。

大きな丸眼鏡をしている少女。

美少女とは言えないかもだがこう見えて数少ない友人である。


「和葉ちゃん」

「杏奈ちゃん」


あんまりにも図書室に行くから友人になってしまったのだ。

そんな感じで会話をしながら私は杏奈ちゃんを見る。

杏奈ちゃんはニコッとしながら「今日はどんな本を読むの?」と聞いてくる。

私は「まあ色々だね。分野はこだわらないかな」と返事をする。

それから杏奈ちゃんを見る。


「.....杏奈ちゃんはどんな本を読むの?」

「え?私?.....私は.....色々だね。雑学とか」

「.....そっか」


そんな感じで他愛無い会話をする中で.....杏奈ちゃんに聞く。

私とは結構長い付き合いなので聞いても良いだろう。

「杏奈ちゃん。突然だけど男女の浮気って許せる?」という感じでだ。

すると杏奈ちゃんは真面目に考えてくれた。


「.....うーん。いきなりだね?.....まあ漫画ならアリかもだけど浮気は良くないね。やっぱり身を滅ぼすから」

「.....そうだね」

「うん?現に誰か浮気している人でも居るの?」

「.....いや。ただ単に漫画で読んだから聞いてみただけだよ」


やはり肯定的な意見は聞かれない。

それはそうだろうな。

考えながら私は「じゃあお仕事頑張って」と言いながらそのまま本棚を見る。

浮気は良くない.....か。

まあ私の場合は浮気と思ってないけど。

ただ単に大切な人が2人居るだけだ。


「なのに何であんな質問をしたのか」


そんな言葉を発しながら私は考えつつ目の前を見る。

そこには男女間の大切な付き合いという本があったりした。

これは良くない性交渉などで性感染症が増えているから置かれた。

普通にありえないと思う。

幾つもセックスするとはだ。


「.....大切なものが2つ.....」


その様な事を呟きながら私は目の前の本をジッと見る。

すると女子二人が後ろを通って行った。

それから「聞いた?杉本くんの話」「浮気したってね」「サイテー」と聞こえた。

その杉本くんとやらは軽蔑されている様だ。

私は改めて身を引き締めた。


「やはり法律がおかしいだけだ。私はおかしくない」


そんな事を呟きながら私はさっきのタイトルの本を手に取る。

それから読み始める。

そこには避妊用具などがしっかり記載されており。

性感染症は怖いという事が書かれている。


「不用意に.....だね」


私は文章を読みながら椅子を引く。

それから座ってから再び読み始める。

やはり大切にしなくてはな。

私の身体はだ。


全ては廻の為にあるのだから。

思いながら居るとメッセージが届いた。

そこには富嶽から(なあ。もし良かったら放課後に会えないか?)と連絡があった。

私はその言葉に(そうだね。じゃあ放課後に.....)と連絡しようとしたがいきなり何か寒気を感じた。


私は「?」と思いながら寒気の原因を考えて目の前の本に目がいく。

富嶽にそんなの無いとは思うけど。

ちょうど私が開いているページがそういう系のページだった。

私は(富嶽。ごめん。今日は廻に付き合う)という感じで送ると富嶽は(そうか)とだけ返事をくれた。


良かった。納得してくれた。


そう思いながら居たのだが。

次に富嶽は(なあ。それはそうと俺達.....付き合い始めて半年経つよな?)と書いてきながらスタンプを送ってくる。

私は(?.....うん)と返事をする。


すると富嶽は(ヤりたいんだけど)とメッセージを送ってきた。

お前を愛したいとも。

私は汗が噴き出る。

そして困惑した。


(あ.....それは望んでない)


と咄嗟に返事をした。

すると富嶽は(何だよそれ)と言葉を書いてきた。

それから(愛してないのか俺を)ともだ。

私は予想外の事に困惑する。

そして(そういう意味じゃなくてタイミングが)と言うが彼は(俺はお前を愛したい)と書いてくる。


(で、でも)

(俺は我慢できない)

(.....わ、私は.....そういうのは.....)


初めて怖いと思った。

そして私は考える。

それから答えを考えたが.....上手い具合に言えない。

どうしたら良いのだろうか。

そう考えていると目の前に杏奈ちゃんが座って来る。


「彼とメッセージ?」

「.....え?.....あ、うん。まあ」

「良いよね。廻先輩って。何だか優しいし」

「.....そ、そうだね」


私はそう言い淀みながら俯く。

すると杏奈ちゃんが心配そうな声を発してきた。

大丈夫?という感じでだ。

私は「.....うん」と曖昧に返事をしながらそのまま杏奈ちゃんを見る。

どうしたら良いか。

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