第37話 えっちなのはNGです!
その瞬間世界が砕けた。ガラスが割れるような感じで。
「はっ! 」
そこは森だった。私はもたれかかった感じで座っている。奥にはうっそうと茂った木々、そしてその手前には黄色がかったオレンジの花が咲いていた。
こういうのを山吹色っていうんだっけ。
見上げてみるとちょうどここだけぽっかりと穴が空いたように木が生えておらず、光が差し込んでいる。
「はぇー」
なんか綺麗なんだけど不思議な気分。幻想的とまでは行かないんだよね。田舎行ってコスモスとか菜の花の群生見ましたって感じ。それはそうとして体が動かない。もしかして金縛りってやつ?
自分の身体を見てみると手と足に木の根っこ? みたいなのが絡まっていた。そしてその木を辿っていくと、上まで登りそしてさらに後ろに続いていた。
体をのけぞるような感じでさらに辿っていく。だんだん辿って行ってちょうど真後ろが見えるくらいになったとき、目があった。
そこには木の幹にまた口のような穴が空いていて、枝をうねうねと操っている魔物がいた。
「私、18禁NGなんですけど⁉︎ 」
私が意識を取り戻したことに気づいたのか、手足の拘束が強まった。そしてうねうねとした枝を私に伸ばしてくる。体を動かせないから思ったように力が入らないし。
あ、これまじでやばいやつかも。
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