第16話 居候

 えっと、明日から野宿が決まった私ことリターです。はい。どうしましょう。


「野宿とか変なこと考えないの」


「えっ」


この人エスパー? なんて思っていたらお姉さんは大きなため息をついた。


「えっじゃないわよ。駆け出しの冒険者に多いのよねえ。あまりお金のこと考えずにこの町に来てしまう人。そのために駆け出しの冒険者専用の宿も建てたんだけど、ちょっと荒れちゃっててねえ。」


いつの間にか敬語が外れている。ていうかめっちゃ性格変わってない? こっちが本当で、さっきまでが見せかけてだったってこと? 恐ろしい。


「仕方ないわね。リターちゃん。よかったら私の家来る?」


「いいんですか?」


「いいも悪いも他に方法がないでしょ。それとも私の家じゃ不満かしら?」


「そ、そんなことないです。ありがとうございます!」


カッコいいです姉貴。へえへえ。部屋の掃除に料理、洗濯に靴磨きなんでもおっしゃってくだせえ。あっしが何でもやらせてもらいますゆえ。


「じゃあもう少しここで待っていてもらえるかしら? やることがまだ残っているの。」


「分かりました。」


行ってしまった。カーッ、姉貴の背中がでかいや。胸も大きいけど。くそっ。でもいつまでも甘えてられないよねえ。とっととランク上げて1人で宿を借りれるくらいには稼がないと。頑張るぞー! てかねっむ。

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