第14話 彼または彼女
クリス・ボーンは身体的には女性ではあるが、だからと言って女性であるとは言い切れない。クリスはいわゆるノンバイナリーだった。
ノンバイナリーとは、その時々で自分の性自認が変わるというもので、有り体に言うと他人からすれば厄介極まるものである。良く解釈すれば男性とも女性とも交際できると解釈もできるが、逆に言えばどちらとも交際しきれないとも言える。
ある年齢までクリスはこの事をほとんど意識しなかった。何故ならばクリスの周囲には同年代の男女そのものが居なかったので、恋愛もセックスもあまり意識をする事がなかったからである。しかしそれも初潮を迎えて大きく変わった。
魔界の住人にはそういう成長期はないので、知識としては知っていても適切にその対応はできず、クリスの初めての経血はトイレットペーパーに吸われ、その後はロールごと押し当てただけだった。シールドはがに股で歩く生徒を見て大笑いした。隠し芸の練習か何かと思ったのだ。
そんな悲惨な初潮を迎えたクリスを親身に対応してくれたのはレジーだった。彼女は純度の高い女性性を持つ者として、そしてそれ以外の理由も併せて、真摯かつ情熱的にクリスに対応したのだ。レジー自身はそうではないが、彼女の前身は
斯くして宿泊費と食材以外に新たにクリスに対する搾取の可能性が確立された。但しこれは現時点ではあくまで可能性に留まっている。キスやハグはスキンシップであり性搾取ではないし、たまに身体サイズを測るのはあくまで健康診断の範疇である。
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