第67話夜の家庭訪問
月曜日から予定外の
出張となった立花は
遅れて出社したが、
残業をせずに
早々に帰宅する事にした。
今日は早く帰って
最近サボり気味の
エクシブハンターに
ログインをするつもりで
駅前で牛丼を買って
家路を急ぐ事とする。
アパートに戻り
テレビを点けると
お台場での
屋外イベントの模様が
放送されており
女神の活躍している
権太坂のライブが
放送されていた。
キレキレのダンスに、
時折見せる笑顔
1分ほどの
ニュースだったが
45秒は女神が画面を
独占している。
『スゲ〜な』
テレビで大活躍をする
女神に感嘆した
立花は、すぐに
『関東テレビの
夜のニュースで
お台場ライブを
放送していたよ』
『放送中のほとんどの
時間を女神が
カメラを独占して
写っていました』と
LINEを送った。
テレビに映っていた、
美少女が
自分の彼女である喜びと
世間が注目する前から、
目をつけていた自分って、
スゲ-と自画自賛して
悦に入っている立花であった。
牛丼を食べながら
テレビを見ているこの時間
バタバタした毎日を
過ごしてきた立花は
平和を感じている。
日常の静けさを
取り戻した立花が
食事を終えて
スマホを取り出した。
久々の
エクシブハンターのログイン、
チ-ムのみんなは
どうしているかな?
そう思ってログイン後に
チ-ムのログハウスに
行くが誰もいない状況だ。
誰かしら居そうなモノだが
そう思った立花はゲ-ム内の
メッセージ機能で
チ-ムNO.2のトニ-に
連絡をする。
すると、すぐに返信が来た。
『久しぶりに来たら
誰も居ないんだけど
みんな何処に行ったの?』
立花がトニ-に質問すると
『みんなGODも
フランキーも来ないから
トレ-ニング場に行ってます』
『そこでの戦闘力で
ペア相手を探したり
共闘チ-ムが
出来ています』と
説明をしてくれたが
意味が分からなかった。
立花からトニ-に電話して
最新の情報を聞いてみる。
元々遊んでいた
エクシブハンターの
プレ-ヤ-も
賞金総額5億円に惹かれて
参戦する際の
最強ペアを探しており
世界大会のプレ会場で
トレ-ニングをしたり、
ペア相手の品定めをしており
本来の個人戦の
フィールドは閑散としている
状況との事だった。
最強の相手とペアを組んで、
なおかつチ-ム同士で
連合を組めば
優勝も夢ではないと考えて
オリファルコン社が
準備した世界大会の
プレ会場で腕試しをする
プレーヤーが
集まっているとの事だった。
オリファルコン側も
集団を作る者が
現れる事は想定済みで
4人以上が集まると
竜巻が発生して
後から合流したチ-ムを
吹き飛ばす
イベントを考えている。
『トニ-はペア相手は
決まったの?』
立花が、そう質問すると
『それが、まだ何ですよ』
『今回は賞金1億円が
かかっていますから
ペア相手も真剣に探しますよ』
『GODも、もう一つ
携帯を買って、
俺とペアを組みませんか?』
『俺とGODが組めば、
マジで優勝を狙えると
思うんすよね?』と
トニ-の鼻息は荒い。
オリファルコン側も
別IDでの複数
アカウント作成をする者が
現れる事も考えていたので
プレーするだけの人と、
更に賞金戦に
参戦するものとで分けて
賞金を狙う者は
マイナンバーカ-ドの
登録を義務付けたのだ。
この効果で
マイナンバーカ-ドを
いまだに
作っていなかった若年層も
慌て作成する事となり
ニュースにもなった。
マイナンバーカ-ドを
使用する事で
なりすましを防ぐのと
ネットゆえの匿名性で
賞金を獲得した者が
脱税をする事を
防いでいる。
その事を
トニ-に説明すると
『オリファルコンには
頭の良い奴が
いるんですね?』と
悔しがっているが
立花はニヤついた。
この辺のアイデアも
立花が考案した者だった。
そんな会話していた時に
LINEが入った。
蝶野正子からだった。
『トニ-悪い、落ちるわ』
と言って
蝶野からのLINEを確認する。
『国家試験の事で
質問があるのですが
聞いても大丈夫ですか?』と
書いてあった。
『大丈夫だよ』と
レスをすると
『もう家ですか?』と
即レスが来た。
『家で牛丼を食べてました』と
立花が返すと
『今は1人ですか?』と
またも即レスが来る。
『はい、家で1人
まったりしてます』と
立花が返すと
『今日は彼女さんは
来ないんですか?』と
質問が続いた。
『今日は来る予定に
なってないよ』と
返すと
『今からアパートに
行っても良いですか?』と
驚くべきメッセージが来た。
『別に良いけど、
場所分かる?』と
動揺した立花がレスすると
『もうアパートの前にいます』と
レスが返って来たのであった。
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