第44話初体験する女神様 3

落ち着きを取り戻した2人は

デリバリーで夕食を調達して

仲良く食べていたが


その時の話題は

今日の記者会見だった。


女神は大勢のカメラマンに

撮影されたのが

初めてだったので


キレイに撮れているか?


テレビや雑誌に

自分がどう載るか?


不安でたまらないらしい。


『初めてアタシを知る人が、

可愛いくない写真を見たら』


『その人の印象は、ずーっと

可愛いくないアタシ

じゃないですか?』


『写真集みたいに写真チェックを

させてくれたら良いのに』と

ブツブツと呟いている。


そんな彼女を微笑ましく

見ている立花の視線に

女神が気付いて


『アタシ何か変な事を

言ってました?』と

心配そうに尋ねてきたので


『いや〜、言っている事が

プロっぽいなって

感心していたんだよ』


『つい、この前まで

テレビのワンコ-ナ-で

右往左往していた子とは

思えなくてさ』と

感想を述べた。


それを聞いた彼女は

『何かアタシ、

イヤな子になってます?』と

心配そうに立花に確認してくる。


『イヤな子って何?』

不思議そうに立花が聞き返すと


『売れた途端に、

急に態度が悪くなる人が

いるじゃないですか?』


『今のアタシって、そうなって

いたんじゃないか?って

思って』と説明をしてきた。


『大丈夫だよ、

そうなってないから』と

立花が笑いながら説明すると


『良かった〜』と

安堵したようになる彼女を見て


『近くに、

そういう人がいたの?』


立花にそう聞かれた彼女は

無言で笑っていた。


『いたんだろう?』

立花に、そう聞かれた彼女は


『内緒です』と

目をつぶって笑顔で答えるに

とどまった。


話を変えるように立花が

『世界大会どうする?』と


GOD&ビ-ナスで参戦が

決定している

ペア参戦の話をすると


『そうなんです

世界大会もあるし

アタシもエクシブハンターを

教わりたかったんです』


『来週からテレビ番組の

ワンコ-ナ-で

エクシブハンターを説明する

時間が始まるので』


『レクチャーを

受けたかったんです』と

個人授業を依頼してきた。


エクシブハンターで

注目された絵色女神が

ゲ-ム初心者では

カッコがつかない。


記者会見で参戦を

発表しておいて

ポンコツプレ-ヤ-だと

女神が大恥をかく事を

立花も危惧していた。


『ご飯も食べ終わったし、

今から特訓で

レベルアップしよう?』


立花の提案で勉強会が始まる。


女神が自分のカバンから

スマホを取り出し

エクシブハンターに

ログインをしようと試すが

ログイン出来ない。


『何かアタシの

スマホ調子悪いみたいです』


何度もアクセスエラーになる状況に

女神が呟き


立花が

『貸してごらん』と言って

女神のスマホでログインを

試すがエラーとなる。


『おかしいな』

そう言って立花は

自分のスマホを出して


エクシブハンターに

ログインを試したが

立花もログイン出来ずにいた。


時間は夜21時、

確かに1番混む時間だが


2人とも

ログイン出来ないとなると

システム障害かもしれない。


『なら、コッチで試そう?』

そう言って

女神のスマホで操作すると

今度はログインまで辿り着けた。


『何をしたんですか?』

不思議に思った女神が

立花に質問すると


『バックアップサイトから

入ったんだ』と

説明をしてくれた。


ネットゲ-ムの会社や

デ-タ処理をする企業は

自社のマザーコンピュータや

サ-バ-のクラッシュに備えて

バックアップデ-タ-を

別サ-バ-で保管している。


立花はオリファルコン社の

別サ-バ-にアクセスして

ログインしたのであった。


『コッチはサクサクですね?』と

女神は設定ボタンを入力して


自分のアバタ-を

呼び出して喜んでいる。


実はこの時、

全世界でエクシブハンターに

ログインしようとする人々で

サ-バ-ダウンが起きていたのだ。


ペアで参戦出来る賞金額が

10億円の無料ネットゲ-ムは

発展途上国でも大々的に

ニュースで取り上げられて

アクセスが殺到していたのだ。


その事を知らない2人は

イチャイチャと肩を寄せて

エクシブハンターをしている。


『この技の名前は

何て言うんですか?』

と言う女神の質問に


『これは佐山さんの必殺技の

フランキーだよ』と教えると


飲み込みの早い女神は

すぐに習得してしまった。


本当に女神はスジが良い

一度教えたら、

完璧に使いこなせる。


世界大会、ひょっとしたら

ひょっとするかもしれない。


そんな事を考え始めた立花は

『世界大会で使えるか?

分からないけど』


『もう一つ新しい技を

覚えておくか?』と

女神に確認をすると


『はい、教えてください』と

どん欲に新しい技術を

求めてきた。


『この札と、この杖を

持っている時に』


『敵に囲まれた状況で青い木に

一撃を加えると』


一瞬で敵が自分の家来となった。


『すごい、この技は何ですか?』

女神が興奮して聞いてくる。


『この技は

レボリューションだよ』と

新技を伝授した。


『これもテレビで紹介しても

良いですか?』と

女神が聞いてきたので


『是非、紹介して下さい』と

立花に言われ

女神は大喜びしている。


そんな新技と基本技を

2時間ほど伝えて

レクチャーが終了となった。


時間は23時、明日も仕事な2人は

寝る準備をするが

立花が先にシャワーを浴びて

その後に女神がシャワーに

入る順番を決めた。


毎度ながら

脱衣所が無い家なので


キッチン前で立花が服を脱いで

浴室に入ろうとしている。


優勝した賞金で

何を買おうかな?と考え


頭の中で候補がいくつも浮かび

妄想に浸っている立花だった。


彼は気付いていなかったが

女神はしっかりと

立花の立花を凝視していた。


『アタシがいても立花さんは

恥ずかしがらずに

服を脱いでいる』


『アタシが奥さんになるから?』


そんな事を考えているうちに

立花は浴室へと消えていく。


さっきは女の子の日だから

中止にした。


でも、やっぱり立花に

抱かれたい。


そう考えた時に女神は

自分の心の中で

ある決心をした。


5分ほどで立花がシャワーから

上がると女神は立花に

バスタオルを持っていき

身体を拭きだしのである。


突然の女神の行動に

ビックリしている立花が


『いいよ、自分でするから』と

言うが


『アタシに拭かして下さい』と

言って


立花の言葉を無視して身体を

隅々まで拭きだす。


身体中の汗と水滴を

拭き終わった後に


『アタシもシャワーを

浴びてきます』と言って

立花の前で服を脱ぎ出した。


『おい、ちょっと待て』

『俺は向こうに行くから』


突然の女神の脱衣ショ-に

ビックリして

立花は慌てていたが


彼女は気にする事なく

服を全て脱ぎ

浴室へと入っていった。


見ないように

していたつもりだが、

女神が至近距離だったので

お尻や背中は見えてしまった。


パンツを履く前の

立花の立花は

しっかりと反応して

上を向いている。


『せっかく収まっていたのに』

立花は、そう呟いて

着替えを終わらせた。


10分ほど経った頃だろうか?


浴室の扉を開ける音が

聞こえた。


ビ-ルを飲んでいた立花は

キッチンの方は

見ないようにしていた。


3分も待てば

女神の着替えも終わるだろう


そう考えてベッドの上で

スマホをいじっている。


『立花さん』

女神が立花を呼ぶ声に反応して

立花が彼女の方を見た。


『女神?』


キッチン前にいた女神は

全裸で立って

こちらを真っ直ぐ見ている。


見てはいけない。


だが美しい彼女の肢体に

見とれて

目を逸らす事が出来ない。


『CM出演や権太坂36の

新曲のセンターに

なる事が出来ました』


『アタシは明日、

あなたに殺されても

絶対に文句を言わない位に

感謝をしているんです』


『だから立花さん、

やっぱりアタシは今日

あなたのモノになりたいです』


『アタシの

全てを見てください』


生まれたままの姿の彼女は

そう言って

立花のいるベッドに歩いてきて


唖然として固まっている

立花に近づき

彼にキスをしたのであった。

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