2019年4月桃の花咲く甲州路

良い天気に恵まれた春の甲州路をテクテクと。

11日勝沼で下車。駅周辺はソメイヨシノがずらり満開。大迫力である。どこから来たのか、カメラマンがわんさか駅プラットフォームだけでなく、あちらこちらに立っていて、ベストショットを狙っている。

駅を後に、うらうらと暖かい日差しの中桃の花咲く畑の道を歩いて行く。青空の下、西は南アルプス、東は節刀ケ岳から三つ峠の山並みが綺麗に見える。道脇のずいぶん風化している石仏に猫が寄り添って日向ぼっこしている。ふくふくした毛並みに日の温もりが集まって、きらりと輝いて見え、しばらく眺める。私も猫も光のなかで、じっとしている。一瞬がとても長く感じられる。しばらく後、猫は動き出し草むらの中へ消えてしまった。

また歩き出す。

途中、見晴らしが良いレストランを見つけ、窓際席で満開の桜を眺めながら早めのお昼。

甲斐国一ノ宮浅間神社を後にした頃、地元の小さな温泉を見つける。入っていくか思案したが、今日の宿泊先に温泉があるのでパス。どんどん西へ歩く。ようやく、今日の目玉の一つローズファームに着。薔薇の時期でないのが残念だけど、お茶とケーキで気合いを入れて、石和温泉駅を目指す。途中、川沿いを辿るうちに日が傾き、駅に着く頃には黄昏時となっていた。温泉街は宿泊客があちらこちらと夜桜を眺めながらそぞろ歩き、なかなか風情がある。

甲府駅南にある談露館泊。ここは日帰り温泉もやっており、山から下山後よく利用している。

12日ひのはる駅まで移動。ここから甲州街道に出て街道を北へ歩く。山高の神代桜は残念ながらもう葉桜だ。道の駅はくしゅうで一息入れ、街道から外れで長坂駅へと道をとる。途中、自家製ソーセージが売りの小さな店でお昼。ここからの道のりが長い。地図で見ると、直線距離にするととても近いのに、谷に下り、また道をうねうね登って行く。予想の3倍は歩くことになる。この辺りは、川沿いかつ日陰がちなため、桜は未だだった。タムシバの白い花が周りから光を集めたように枝先に咲きしづもる。静かな浅春の道を登り詰めると峠の分かれ道に出た。ここまで来れば後は下る一方で駅まで直だ。やれやれとおやおやの半分半分で、この峠に建つ、こじんまりとした可愛らしいカフェに入る。何を頼んだものか。気分的に珈琲と苺のショートケーキのような…。はてさて。

長坂駅まで来たけれど、まだ時間に余裕がある。なので、小淵沢駅まで足を伸ばすことにする。細いがきちんと舗装されている道を北へと向かう。諏訪神社が見えれば駅までもうすぐだ。

小淵沢っておしゃれなイメージが大なのに、いつ来てもオフシーズンの平日な為か、駅前でゆっくりしようと思うのにこれはという店は閉まっていたりでなかなかない。

やはり、リゾナーレやサントリー白州蒸溜所など、ちょっと離れたところでないとダメなのかも。

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