帰国編 1章

第216話 帰国

一ヶ月ぶりの投稿です!

帰国編と言うことでこれから毎日投稿・・・と行きたかったところですが、申し訳ありませんm(_ _)m


八月中忙しく、九月もあまり執筆の時間が取れそうにありません。

ストックも無く、何とか書きたいとは思っておりましたが1話しか結局無理でした。


これからは不定期で投稿し、何とか時間を作りたいと思います。

(また時間ができれば毎日投稿をしていきます!)


十月ごろには以前投稿しようと思って結果的にできなかった小説をある分だけあげますので、そちらもよろしくお願いします。





ーーー




留学から帰ってきた僕、ルイ・デ・ブルボンを出迎えてくれたのは怒り心頭の父と、怖いぐらいの笑顔の母。


そして僕の後ろをしきりに気にする妹のアンナ。


どうやら僕の後ろに控えている獣人族のテラに興味があるらしい。


少し落胆したが、気を取り直して挨拶する。


「アンナ、ただいま!」


大きな声で元気よく言う。


少しビクつきながらも、天使の笑顔で返してくれる。


「お帰りなさい、ルイ兄様!アルス兄様もレーナ姉様もお帰りなさい!」


全員の顔が綻ぶ。


「おい、ルイ。親への挨拶は無しか?」

「いえ、これからするところです」


そう言って母に向けて挨拶する。


「ただいま帰りました、母様」

「うん、無事で何よりだわ」


今度も渋い顔をする父。


「俺が最後か?」

「ええ、何か問題が?」


僕は今父に対して憤りを感じる。


まさか当主の座を得るために、親戚の同意が必要だったとは聞いていない。


僕は無言でそれを訴えるように睨みつけながら挨拶する。


「ただいま戻りました、父上」

「・・・よし、少し俺の部屋に来い。アルスもだ。レーナと、もう一人の子はアンナと遊んでいてくれ」

「え!?」


ちょ、アンナにとっておきのプレゼントを渡したかったのに!


だが、セバスにも促されながら渋々付いて行った。



父の書斎は一年ぶりに見ても相変わらず広い所だった。


壁にある本棚の本は少し配置が変わっており、以前に比べて机の上にある書類の数が増えていた。


椅子にもたれるように座った父は深くため息をつきながら会話を始める。


「お前に当主の資格を得るための事を黙っていたのは謝ろう。だが勘違いしないで欲しいが、何もお前だから隠していたわけじゃない。昔から隠されてきたのだ。俺もまたそうだった」


まあ、そうだろうとは思う。


流石にこの父が兄弟のことをわざわざ隠していたとは思えない。


「普通は学園を卒業してから試験が始まっていた。だが、お前は色々と異例すぎてしかもあの弟に目をつけられたから変な状況になってしまっていた」


話は続く。


「今回は引き分けとなったが、これからはいつ狙われるか分からない。残念ながら俺にも押さえつけることができない。それだけ弟たちと妹たちは厄介だ。まあ、良い意味でも悪い意味でも」


肩をすくめて諦め顔になる。


何処か別の時間を見ているように目を薄め、それだけで昔に何かあったのだと分かる。


「父上、それにしてもどうして秘匿にするのですか?」


アルスがもっともな質問をする。


どうしてこのようなめんどくさいことをするのかはよく分かった。

が、それを秘匿にするだけでなく兄弟(挑戦者に取ったら叔父叔母)がも秘匿にされる理由が分からない。


「詳しくは知らないが、おそらくそう言う歴史があったんだよ」


歴史?


「それについては私から」


手を挙げたのはセバスだった。


「この制度ができたのは二代目様からだと聞いております。初代様の後を継いだ方であり、非常に堅実で目立たないような人だったそうです」


あ、公爵家の歴史の勉強でやったわ。


名前は覚えていないけど。


「その方には五人の子供がおりましたが全員が色々な分野で秀でていて中々次期当主を決めれなかった。長男には女癖に問題があり、次男も素行が悪く、歳が下に行けば行くほど性格は良かったそうです。それで、迷っている時手を差し伸べたのがご兄弟方だった」


これは覚えている。


「確か三人兄弟だったんだよな?」

「ええ、その通りです。ただ、ご兄弟は当時は放浪されておりその存在はほとんど知られていなかった。二代目様も重要なことではないと割り切って教えていなかった。結果、突然現れた親戚に試験を出されるという形になったのです」


めちゃくちゃだな、二代目。


本当に堅実なやつだったのか?


「それで、それが引き継がれたのか」

「はい。勝った長男が三代目となりしっかりとした家訓に定めた。だからこそ、ブルボン公爵家に暗君と呼ばれた当主はいないのです」


めんどくさいものを家訓にしたな。


そのせいでこの僕が苦しめられているんだよ!


「まあ、無くす必要が無いとこれまで証明されてきたからこそ存在しているものだ。お前の代でも続けろよ」


父は僕の心を読んでか、そう注意してくる。


「まあそういう訳だ。これからは気を付けろ。と言うことで次の話に入る。まずは学園入学についてだ」


話に区切りが付いたところで別のことに変わる。


「ルイ、お前は正式にSクラスに復帰することが決まった。四月から、今度は問題の無いように一年過ごせ」


そうか、またあそこに戻るのか。


別に帰りたいわけでは無いが、少し気になることもあるのでここは素直に頷く。


「それで、次だ。これはお前にとっては重要なことでは無いが言っておこう。来週アンナのお披露目会をすることが決まった」

「・・・・・・え!?」

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