少年編 4章
第53話 公都で買い物
長々とすいません。
少年編最終章です
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学園。
改めて僕は調べてみた。
まず、学園があるのはこの帝国の中央部、僕の住んでいる公都から馬車で3日ほどの場所にある帝都に所在している。
帝都はこの大陸の中で最大の都市であり、政治、商業の中心地。大きな城壁に囲まれた円状の都市で、城壁の外は周囲を大河と平野が広がる自然豊かな場所である。
学園は帝都中央部にある王城の東側に位置する。
普通は無条件での入学は出来ず、試験を受けなければならない。しかし、伯爵家以上の家は無試験で入学できる。
試験の内容は、筆記と実技。実技は一対一の対戦形式で行われる。
学園に入学できるのは四百名まで、小説内の情報だと一クラス四十名で十クラスあるらしい。僕と主人公リリス、取り巻きの男共とは同じクラスになり、一年から卒業までの五年間は同じだ。
入学試験を二週間後に控えた今日。
僕は公都で買い物をしている。
試験を受けなくても良い僕だが、入学試験には一応参加・・・と言うより見学をしに行く予定で、一週間後に帝都へと向かう。主人公リリス、そして何故か試験を受ける男共をこの目で確かめるためにだ。
そこで、しばらくは家を出払うため今買い物をしている。
まず向かったのは、宝石店。
エメラルドやクリスタル、ダイヤといった高価な石ばかり並ぶ店に入店する。
そこでネックレスと指輪、イヤリングを数十個買った。
次に向かったのは、子供服店。
宝石の散りばめられた高価な服、魔法が付与されている珍しい服など、計十着を買った。
それから、特注のドレスを五着。
更に向かったのは、玩具店。
積み木やぬいぐるみ、その他、奇抜で面白そうな玩具を百個ほど買った。
ちなみに、ぬいぐるみはその半数を占めていた。
更に更に訪れたのは、高級お菓子店。
公爵家御用達の店であり、僕自身もよく好んでその店で買っている。
頼んでおいた特注ケーキ三つの出来具合の確認と支払いを済ませて、次の場所へと向かう。
最後に訪れたのは動物店、所謂ペットショップである。
僕自身はとくに動物には興味はないので、適当に可愛いであろう動物を二十匹購入した。
凄い大荷物になったが、大事な宝石はアルスとレーナに、他は大きめの馬車に乗せ、屋敷に戻る。
途中まで黙って僕についてきていたアルスが、我慢しきれず質問する。
「ルイ兄様。この荷物は一体・・・何なんですか?今日は帝都に行く上で必要なものを買う予定ではなかったのですか?」
今日はいくつもの店舗で、まるて買い占めるように爆買いをしてきたが、アルスはまだその理由を知らない。
「お前、今まで買ってきた物を見て、まだわからないのか?!」
「プレゼント、ですか?」
恐る恐るアルスが答える。
「お、正解!」
「誰にですか?」
ったく、自分で考えて欲しいものだ。
「逆に、誰に?だと思う」
「・・・まさか孤児院の子たちにですか?!」
アホか!何を馬鹿なことを言う。ノブレス-オブリージュにも程があるだろ!
「なわけあるか。孤児院へは既に何回も支援をしている。僕が何故あいつらのために宝石やら高級品を買わなきゃいけないんだ!」
「「ですよね〜!!」」
返答を分かっていたかのように、アルスもレーナもハモって言う。
今度はレーナが当て推量をし始める。そして突然パッと顔を上げると、
「まさか、ルイ様、私達に―」
「なわけあるかい!!」
僕は最後まで言わせないよう遮った。
「「ですよね~!!」」
またも二人の言葉がハモる。
そんな会話をしているうちに、屋敷に着いた。
出迎えていたセバスが唖然とした表情で馬車の大荷物を見る。こんな顔を見せるセバスも珍しい。
「こ、これは・・・」
「ああ、全てプレゼントだ。ちゃんと自費で買った」
僕は自分の小遣いで(賄賂も含む)買ったことをしっかりと伝える。
「で、ですがルイ様。こんなに買わなくても」
「何を言っているんだ!僕が学園に行っている間、ほとんど会えないんだ。今のうちに祝っておかないと僕の心が許さない!」
声を上げて僕は言い、そのまま屋敷の中へと入った。
そんな僕の背中を見ながらセバスは、わざと僕に聞こえるように呟く。
「本当にどうしてルイ様はこうなってしまわれたんでしょうか?」
「「本当ですよね、まさか、あのルイ(兄)様がね〜」」
セバスに答えるように、嫌味たらしく背後の二人もハモる。
だが、そんなことは気にせず、すでに僕の心はルンルン気分で一杯だ。
そう!愛しい我が妹に、誕生日プレゼントを届けるためにね!!
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