第86話 (後日談12)日本の入国隔離政策①

中国の入国隔離政策について色々と書いてきましたが、実は日本も入国隔離政策を行っていた時期がありました。


非常に短期間でしたので実際に経験された方は少ないであろうと思ったことから、これも後世への記録として書き記しておきたいと思います。


2021年11月29日、日本国政府は急速に拡大するオミクロン株への水際対策として全世界からの外国人の新規入国を停止すると発表しました。


それまではワクチンを接種していれば待期期間を最短3日としていた措置も停止、海外から帰国するすべての日本人にはワクチン接種者を含め14日間の自宅待機が要請されました。


更に日本政府は日本に到着する全ての国際線の新規予約すら取り止めると発表しました。


つまり海外に居る日本人は、14日の入国隔離を覚悟して帰りたくともフライトが予約できない、という状態に陥りました。


当時、上海駐在員の間では「これは棄民政策ではないか?!」との厳しい批判が相次いでいました。


その後、国土交通省はこの措置を撤回しましたが、結局、これが官邸の指示だったのか、国土交通省の勇み足だったのか、は判らずじまいです。


そんな中、私は2022年2月の旧正月連休の頃に日本に一時帰国し、この日本の入国隔離政策を体験することとなりました。


当時は日本に戻るに2週間隔離、中国に戻るに3週間隔離、なんと5週間かけないと日中を往復出来ないという、今から考えればアホか!という状態です。


成田空港に到着すると専用の入国隔離アプリの登録が義務付けられていました。私は事前にアプリをインストールしていたのですが、入国時の登録作業がどうしても上手く出来ません。


係員の方にサポート頂いて確認したところ、「これは関空用ですね。成田空港は別のアプリです」と。。。


なんじゃそりゃ、空港別にアプリが違うなんて、なんと無駄なことをしているのか、と思いました。


スタッフに付きっ切りでサポート頂き何とかアプリの登録を完了。

大勢のサポートスタッフが待機していましたが、そもそもスタッフが付いていないと使えないアプリって何なのでしょうね。全くデジタルではありません。


次に唾液での抗原検査を実施し、結果が出るまで待機。陰性が確認された人から順番に空港の外に出ることが出来ました。


飛行機を降りてから空港の外に出られるまで概ね2時間くらいだったと思います。


中国と違って日本では自宅隔離が許されていたのですが、これがまたなかなか面白いシステムでした。


次話に続きます。


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