第76話 (後日談7)感染
ロックダウン中も、その後の2022年12月~2023年1月の感染大爆発も、何とか無事に潜り抜けた私と家族でしたが、2023年5月、ついに感染してしまいました。
5月のとある日曜日、上海のお隣にある有名な観光地の杭州に日帰り旅行に行き、杭州駅で帰りの新幹線を待っていたところ、急に悪寒に襲われました。
これはまさか、と急いで自宅に戻って抗原検査をすると、結果は「陽性」。
私から感染したようで、家族も翌日には陽性になってしまいました。
私は1日だけ高熱が出たのち鼻水が止まらない状態に。
寝ていると喉の方まで鼻水があふれ出し、医者から「鼻うがい」を薦められたので、ネットで鼻うがいキットを購入。1週間ほどでほぼ全ての症状は治まったのですが、なかなか陰性にならず、結局、3週間経って漸く抗原検査結果が陰性となりました。
大変だったのは家族です。
感染して数日後の夜に自宅で倒れ、救急車で緊急搬送されてしまいました。
実は私は日本ですら救急車に乗ったことは無く、家族の付き添いではありますが、初救急車。中国の救急車は有料なので、その場でWechatペイで約2千円の料金を支払いました。
通常は外国人用の病院に行くのですが、救急搬送の場合、病院を選ぶことが出来ず、最も近い大病院に運び込まれてしまいます。
然し中国の地場病院は野戦病院状態。廊下などでも点滴をしたり唸ったりしている人が沢山います。
この頃は幸いにもコロナ感染者が少ない時期だったので、それでもマシであったのだろうと思います。
然し夜間だったので緊急治療医の診察は「雑」。
殆どまともに診察もせず、薬を出しておしまいにしようとしました。
その間も家族の具合は悪化する一方だったので、これは危険だと思い、外国人用クリニックに電話して事情を説明、タクシーで移動しました。
外国人用クリニックでは幸いにも日本語の話せる先生が夜勤におられて、丁寧に診察頂き、そのまま入院ということで一安心。
家族は当初は喉の激痛に苦しんでいましたが、お医者さんの丁寧なケアもあって1週間ほどで無事に退院することが出来ました。
因みにこの時点で私は症状は治まっていたものの陽性だったのですが、もう病院もお医者さんも全く気にしない状態でした。
1年前のロックダウンまでは陽性だと強制収容所送りだったのに、この変わり身の早さも中国らしいです。
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