第73話 (後日談6)トラブル続きの再入国①

「第70話 (後日談4)家族呼び寄せ」の更なる後日談です。


家族を呼び寄せるために日本に一時帰国し、いよいよ明後日は再び上海へ渡航するという日のこと。


コンビニでお昼ご飯を買って外へ出たところ、道路の微妙な段差に足を取られて「グキッ!」。


その時は「あ~、捻ってしまったか」と軽く考えていたのですが、みるみる腫れあがり激痛が走りました。


これはもしかして、、、と思い、近くにあるお医者さんに診察して貰ったところ、「折れてますね」。


私 「先生、実は明後日から中国に渡航するのですが大丈夫でしょうか・・・」

先生「中国はまだ入国隔離ってやってるのでしたっけ?」

私 「はい。今でも1~2週間、ホテルに隔離されます」

先生「じゃぁちょうど良いですね。どうせ2週間くらいは動けないのですから」

私 「・・・・・」


厳密には、いわゆる「ヒビが入った」という状態で、固定して松葉杖をつけば歩けなくは無かったので、予定通り中国に戻ることにしました。


航空会社に連絡して介助をお願いしたところ、有難いことに浦東空港では飛行機を出たところから車椅子を用意してくれるとのこと。


そしていよいよ渡航日。家族からは「家族だけでは中国に入るのは大変だからと、家族を世話する為に来てくれたのに、逆にこっちがお世話をする係になっちゃったね」と笑われながらも、無事に上海に到着。


飛行機を降りるとそこには車椅子と「大白ダーバイ(防護服を着た人)」が待っていました!


大白さんに車椅子を押され、本来なら歩かなければならない階段などは全てエレベーターで移動し、PCR検査の長い行列も申し訳ないことに途中から入れて頂き、至れり尽くせりの入国。


大白さんにはバゲージクレームまで運んで頂き、そこからは自力移動となりました。


荷物を持って税関を抜け、上海市内の行政区別カウンターで隔離ホテルへの運送を待っていたのですが、ここでプチトラブル発生。


この頃は「7日隔離ホテル+3日自宅健康観察」が市政府の定めた隔離ルールだったのですが、カウンターの担当者(地域の警察官)から突然に呼ばれ「お前の住所にあるサービスアパートというのはホテルだな?住所がホテルの場合は、上海市がアレンジする別のホテルで10日隔離だ」と告げられました。


私の新しく借りたアパート(第69話で書きました通り一時帰国直前に引越しました)は「サービスアパート(服務式公寓)」というお掃除サービスなどがついているアパートなので、「ホテルではない。アパートだ」と何度も主張するも、「お前の家はホテルだから10日ホテル隔離だ!」と話を聞いてくれません。


理由を問いただすと、「ホテルは7日の隔離が終わったその後の3日健康観察を受けれてくれないところが多いから」とのことなので、その場でアパートに電話しアパートから「3日の自宅健康観察は受け入れ出来る」と説明して貰うも、担当官は「ダメだ」の一点張り。


曰く「名前に「サービス(服務)」とついていれば市政府指定のホテルに行くことになっている」を繰り返すのみ。


理由は全く考えず「上から言われたからです」という思考停止に陥るのは、中国でよく目にする光景ではありますが・・・


さんざん揉めた挙句、ようやく「アパート」と認めてくれて「7日ホテル隔離+3日自宅健康観察」で落着し、通常の隔離ホテルへ移動しました。


隔離ホテルの入り口で足の骨折を伝え、「このような状態なので一人ではなく家族同じ部屋で隔離出来ないか」と相談したところ、「病気やケガの介助が理由なら家族で同じ部屋の隔離は可能」とのことだったのですが、「だけれども、部屋は一人隔離と同じ狭い部屋です」と。。。


家族と相談しましたが、一人一部屋で隔離することにしました。


幸いにも隣の部屋にしてくれたので、隔離中は窓や扉から顔を出したりして、時々お互い生存確認(笑)することは出来ました。


ちょっと長くなってきましたので、②に続きます。

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