第69話 (後日談2)引越し

ロックダウン中、ずっと帰れなかった浦東ぷどんで借りていたアパートですが、ロックダウン終了後に調べた結果、色々と新たな事実が判ってきました。


この小説の最初の方をお読み頂いた方はご記憶があるかもしれませんが、入国隔離が解除された時点で既にアパートは封鎖されており、戻ることが許されていませんでした。


感染者が出たアパートから外出することは許されなくても戻ることは許されるのが通例であったにも関わらず、何故アパートは入ることすら許さなかったのか。


実は当時、アパートに併設されているホテル宿泊者に感染者があり、ホテル内で大規模なクラスターが起こっていたとのこと。ホテルとアパートはレストランやジムなどが共有だったため、アパート棟もホテルとともに封鎖されていたのでした。


ロックダウン終了後も全館空調を止めていたのは、空調もホテルと共用だったため、感染爆発したホテルからウィルスが入り込むリスクを警戒していたそうです。ロックダウン中に感染者が出ていないにも関わらずずっと封鎖区となっており全く外に出られなかったのも、そうした背景があったからでした。


ロックダウンが終わりアパートに戻れたものの、こうした話を聞いて、このアパートに住み続けるのは危ないと判断、不動産屋にお願いして引越しをすることとしました。


会社が浦東にある為、同じ浦東で元のアパートから数キロ離れた場所にある外資系の1棟建てアパートを借りることにしました。


地場系よりも外資系の方がコロナ対策が確りしていたこと、住民もほぼ日本人で万一の場合に助け合えること、複数の棟がある大型物件では陽性者が出た場合の巻き添えリスクが上がること、からこの物件が比較的安全だと判断しました。


結果的には本帰国までそのアパートに住み続け、全く問題は発生しませんでした。

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