第58話 縦割り行政

2022年5月19日、木曜日。


中国入国から77日目、浦西ぷーしーロックダウン開始から49日目。


私が一時帰国から戻って上海に入国してから既に2ヵ月半が経過するも未だに浦東ぷどんに借りているアパートに戻れない話を聞いた古くからの中国の知人が、「俺が直接折衝してやる!」と、アパートの運営会社やアパート所在地の上部団体など、各方面に対して相当一所懸命掛け合ってくれました。


然し、結果は残念ながらNO、戻る許可を得ることは出来ませんでした。


以前にも書きましたが、中国では、国家→省・直轄市政府→(上海の場合)区政府→街道→小区(町内会のようなもの)、と行政管理が縦割りの多層構造となっています。


国家や市政府などの上層部が出す大方針に対して、区政府や街道、小区と下に落ちていくほどに拡大解釈が行われたり過剰反応が起こり、結果として住民一人一人のレベルになると不思議な状態になっていることも珍しくありません。


知人に色々と調べて貰った結果、私が借りているアパートの隣にあるホテルが政府に接収されて現在は感染者の隔離施設となってしまっており、結果的にアパートも含めたエリア全体が厳重管理になっている、とのことでした。


本来の行政区分では「アパート=小区」なので隣の小区であるホテルは無関係な筈です。


然し、借りているアパートの小区と隣接するホテルの小区を管理する上部団体の街道が、隔離施設となったホテルを管理する警察と特保(特殊保安隊、医療に特化した保安部隊)の直轄に近い状態になっているとのこと。


街道も小区も、警察や特保には逆らうことが出来ず、事実上、機能停止していました。


もう無駄な抵抗はやめて、自然体でアパートに帰れる日を待つことにしようと思いました。


今日は少しだけ良い話も。


ホテルのデリバリー後の消毒が24時間から2時間に短縮されました。

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