2022年春、上海ロックダウン。

第56話 ロータリーの花

大きなネタもなく平穏な日々が続いているので、本日の第56話は3日分です。

2022年5月15日、日曜日。

引き続きホテルの敷地からは出られない為、日課となったホテル前ロータリーをお散歩。

このロータリーの真ん中は花壇になっており、植えているというよりも勝手に生えていた感じで黄色い菜の花が咲いていたのですが、実が付き始めました。

それを見た宿泊客の一人がベルボーイに、「絞って油を取ろうぜ！」と持ち掛けていました。ロックダウン下、油も買うのが大変なので、やってみても面白いかもしれないなと思って見ていましたが、流石にベルボーイに笑い飛ばされていました。

2022年5月16日、月曜日。

この日、上海市政府が解除スケジュールを発表しました。

然し、そのスケジュールによれば「完全解除」は１ヵ月後となっていました。

１ヵ月という期限が示されたのは希望と取るべきか。それともまだ１ヵ月もこれが続く絶望と取るべきか。

ネット上では「政府発表は信じられない」といった批判が渦巻いており、流石にそろそろ解除に向けた道筋を示さないと、市民の我慢も限界に近付きつつある感じです。

2022年5月17日、火曜日。

昨日デリバリーで頼んだお酒の24時間消毒が終了したことから、受け取るべくホテル１階へ降りたついでに外の空気で吸おうとしたところ、ベルボーイから「今日は外には出られないよ」と。

上海市政府が解除に向けたスケジュールを発表したことから、市政府傘下の区政府がそのスケジュール必達のため、外出管理を厳しくしたそうです。

上からの指示が下に降りるほど過剰反応。中国共産党あるあるな状態です。

5月に入って日々の唯一の楽しみだったホテル前ロータリー散歩すら出来ない、残念な一日が過ぎていきます。

一時帰国から上海に戻って75日目、ロックダウン開始から47日目のことでした。