第41話 消えない羊

コロナ禍の日本では、「コロナ陽性になった」を隠語(?)で「妖精さんになった」などと言ったりすることもありましたが、中国語では「陽性」の「yang」と発音が同じなので、感染者のことを「yang」と呼んでいます。


最近では「陽性」や「羊」と文字で書くとネット上の書き込みが削除されてしまうリスクがあることもあって、羊の絵文字で表示するのが流行っています。


先日書きました通り、ホテルが入居するビルの低層階にあるオフィスエリアにて「羊」が出たことからビルごと「封鎖区」となってしまいましたが、その後、地元政府と折衝し撤回させた、従って連日のPCR検査は終了、との説明が昨晩ホテルからありました。


然し、今朝になって突然「今日もPCR検査を実施する」との連絡が!


ホテルのグルチャは大荒れです。


「ここの羊は消えたのではなかったのか」

「どんな合理的な理由があるのか」

「科学的ではない」


膨大な数のクレームが宿泊者から殺到するも、ホテルからは「地元政府からの指示なので従わざるを得ない」と回答があったのみ。


現実問題として、仮にホテルは封鎖解除されたとしても、ホテル自体が巨大な封鎖地域の中に入ってしまっていることから他地域へ移動することは出来ません。


ふわふわと風船のように浮かび上がって隔離地域を越えていきたい・・・・


そんな思いに駆られました。

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