第38話 医療崩壊
2022年4月19日、火曜日。
4日連続のPCR検査が行われました。
当初発表されていた封鎖解除ルールでは、直近7日に陽性者が出ていなければ「封鎖区」から「コントロール区」に格上げされ、ホテル住まいであれば部屋からは出ることが出来、ホテルの敷地内までは出歩いて良いことになっています。
滞在しているホテルは既に「7日連続陽性者無し」の条件を満たしている筈なのですが、何故か引き続き一歩も部屋から出ることが許されず、連日のPCR検査が指示されていました。
日本では日ごろから情報開示や報連相の重要性が言われていますが、中国には「由らしむべし知らしむべからず」(『論語』泰伯)、為政者は人民を施政に従わせればよいのであり、その道理を人民にわからせる必要はない、という言葉がありますが、まさに現在それが実践されている感じがします。
尚、この論語の言葉は実は後世に曲解されたもので、本来は「人民を為政者の施政に従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい」という意味だそうです。
日本ではロックダウン中の食材不足の報道が多く、確かにそれはとても重要なのですが、もう一つ、報じられていないけれどもロックダウン下の上海で不安に感じるのは医療です。
数日前、現地の作家が夜に体調不良を訴えるも病院を盥回しにされ、PCR陰性証明が無いと診察を断られ、危うく命の危機だった旨を投稿して話題となりました。中国なので、その投稿はあっという間に政府規制で削除されましたが。。。
また昨日は、ご高齢の方が腹痛に苦しむも診察を断られ、苦痛に耐えかねて自殺したとの海外メディアの記事も出ていました
駐上海日本国総領事館から来たメールには「救急車は簡単には来ません」と明記されているなど、万一のことがあれば死に直結しかねない状況だと感じます。
そして、それは突然に訪れたのでした。
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