第9話 核酸検測

当時の中国入国隔離政策では、入国前に日本でPCR検査陰性証明を取得したのち、入国時に空港でPCR検査(鼻の奥までグリグリと検査棒を突っ込まれてかなり痛い)、その後は4、7、10、14、16、21日目にPCR検査を受けて陰性であれば、晴れて娑婆に出られることになっていました。


PCR検査(中国語では「核酸検測かくさんけんそく」と言います)を受けると、半日ほど経ってからスマホに「陰性」(中国語で「陰」は「こざと偏に月」)と表示されます。


中国はデジタル先進国で、コロナ対策はかなりのことがスマホで完結します。


然し一方でよくよく観察していると、デジタルの裏にあるマニュアル処理も透けて見えてきます。


中国では「行程コード」と「健康コード」という2つのスマホコードでコロナ禍の行動を管理しています。


「行程コード」はスマホの位置情報から略自動的に危険地域に居たかどうかを判定するものです。私が日本に行って戻ってくると、緑からオレンジに代わり、右下には最近2週間以内に所在した場所として「日本」が追加されていました。


一方で「健康コード」は、感染したり濃厚接触者になったり危険エリア(含む海外)に行くと赤になり、隔離を終えた観察期間は黄色、安全になると緑、になることになっています。


然し私の「健康コード」は上海に入っても緑のまま。「あれ?見逃されたか?」と思ったら、入国2日目に漸く真っ赤になりました・・・・


実はこのコード、自動判定ではなく、裏で人が設定しています。


中国では濃厚接触者の認定はスマホの履歴などに依るのですが、その先は監視カメラの画像などを踏まえて人が判定しています。


故に、似たような事例でも、あっちの区ではホテル隔離なのに、こっちの区ではPCR検査で陰性なら無罪放免だったりします。


デジタルとアナログの調和?なのでしょうか。。。

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