ミルド
「さてと。丁度良さそうな資料も見つけた事だし、始めるか」
1479/8/35 水曜日 天気(晴天)
ミルド。首都はアブハート。紀元前873年前から存在する。
ミルドはその国土の殆どを中央街が占めている。その内六割が住宅、四割が商店である。だがその所為か路地が異様に入り組んでいる。中央街はミルドの有名な観光地であるが、勧め難い場所である。ミルド生まれミルド育ちの人々でさえ、路地で迷って救助される人がいるのだから。そんな人には後述するスタウ港を勧めるとミルド人は誰しもそう言うだろう。
中央街と言っても、かなりの広さがある為、区画分けがされている。大きく東西南北に分かれ、そこから固有名詞の名の付いた町を持つ。一括りにするには少々規模が大きいのである。地域によって食文化は異なるし、信仰される宗教も変わったりする。案外中央街は現地の人も良く知らない部分が多い。
次にミルドの世界的な視点からの話だ。ミルドは世界で見てもかなり国土を持っているらしい。人口は五千万を超すという。しかし、ミルドより国土が広く、人口の少ない国も多い。ミルドがここまでの大国に成長できたのは、産業が発達しているからである。
ミルドの国境を線でなぞると、半分以上が海に面している事が分かる。また、この世界では北半球の国は少なく、ミルドを含め、四つしかない。対して南半球の国はと言うと百カ国以上存在する。そう。北半球は殆ど海しかないのである。また、ミルドは北半球の国でも最南端に位置する為、昔から他国との貿易が盛んだったようだ。
中央街の向こうには、別区画として開発されたミルドで唯一の港、『スタウ港』ある。多くの国と貿易している為、スタウ港は『眠らない港』と言われている。そんなスタウ港は中央街とは殆ど別物で、中央街とは長い道で分断されている。国王の政策によると、国の壊滅を免れる為らしいが、その結果スタウ港は街としても機能しているようで、現在住宅街の開発で中央街の方に街が広がりつつあるようだ。
ミルドで盛んなのはただの貿易だけではない。加工貿易や農業、漁業、工業など、主に第一次、二次産業が世界的に見ても盛んである。
貿易が盛んになるとそれに続いて加工貿易も行われるようになる。金属や魚類の加工などが主流で、実際はどんな物でも加工を承っているようだ。また、加工が行われると通常の工業でこちらからの輸出も盛んになったらしい。つまり全ての産業が貿易により盛んに行われるようになったという事だ。輸出、輸入で需要と供給の関係が生まれ、それが多岐に渡ると結果的に様々な産業を行うようになる。国の位置と緑の豊かさが生んだ奇跡である。
しかし、北半球の国はそれを有効活用しようとしている国もあれば、妬んでいる国もある。特にジェルアは隣接国が北半球の国のみで内陸国であるという特徴を備えている為、ああ言った貿易などによる産業の発達はミルドと比べると劣っている。それに共産主義のジェルアはあまり他国と協力関係になく、今でも数十年前の技術で生活をしているらしい(ミルドもそれほど先進的ではないが)。その為ジェルアがいつ戦争を始めても可笑しくない状態のようだ。また、他にミルドと敵対状態にある国はない。同盟を結び、安価で貿易によって手に入れた物資を売買しているようだ。
「今日はこれくらいにして置こう。日々精進が大切だ」
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