第3話 武者、記憶が戻る
僕はブトー。ブトー・リー十歳だ。
前世では
今、僕はマルドラームという星のテンリンという国にある武神山という山の中で生活をしているんだ。
何でこんな山の中で生活してるのかって? 老師が教えてくれたのは僕は武神山に赤子の頃に捨てられていたそうだよ。
そして、僕を一所懸命に齧っていた狼の魔物から助けてくれた老師がこの住まいに連れて帰ってくれて、今日まで育てて下さったんだ。
あっ、老師って言ってもジャッキー・リー老師はお肌ピチピチの二十二歳だよ。といっても仙女様だから、その年に仙女様になって以降、年を取ってないって話だけどね。
そして、老師には僕以外に姉弟子がいて、メイ・リー
年上の女性に女の子はおかしいって? だってしょうがないよ。僕は十歳になって前世の記憶を思い出してしまったんだから。三十半ばまで生きた前世の記憶がよみがえった僕からしたら、十三歳は女の子になっちゃうよ。
そして僕は今、人生最大の危機を迎えているんだ。これまでは前世の記憶が無かったから当たり前のように、老師や大姐と一緒にお風呂に入ってたんだけど、今の僕は体年齢は十歳だけど、心年齢は三十半ば…… 色々と問題があるよね?
でも急に一人で入るって言うのも何があったのかと勘ぐられてしまいそうで怖い。なので僕は目を瞑ってお風呂に入る事にしたんだ。
「ムッ! ブトーよ、偉いな。風呂でも修行か。風を感じ、空気の流れを読む訓練を行うとは、流石は我が弟子だ」
老師がそう褒めてくれるけど、ホントの理由は言えない……
「ムウっ、ズルい、ブトー! 私もやるーっ!!」
どうやら大姐も目を瞑ったみたいだけど、大丈夫かな? 僕は前世の記憶が戻ったついでに前世で身につけていた武術の技や勘まで戻ってきたけど、大姐はこんな訓練をした事ないよね?
案の定、大姐の悲鳴が聞こえ……
僕の背中にムニュンと膨らみかけの柔らかいものが押し付けられた……
「キャーッ! あ、コレはブトーの背中だね。助かった、転ばずに済んだよ。有難うブトー」
早く退いて下さい、大姐。僕のまだ子供なジュニアがおっきしそうです……
「どうした? ブトー、前かがみになって? ははーん、そういう事か。ブトーもちゃんと
止めて下さい、老師。恥ずかしいですから……
そんな毎日をこれからも送る事になるんだと思ってた僕です。でもこの幸せな日々はある日突然無くなってしまったんです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます