第2話 武者、女神に会う!
気がつけば白い天井を見ていた。
「むう! そうか、俺はあの車に敗けてしまったのだな…… また更なる修行をせねば!!」
俺がそう独り言をつぶやいた時に横から声が聞こえてきた。
『はいはーい! 残念なお知らせだよ、福津武棟くん。君の肉体は既に火葬されちゃったから修行はもう出来ないんだよー』
声の方を見ると武の女神と言われるワルキューレのような姿の美しい女性がいた。そして俺はその女性の言葉の意味を理解する。
「すると、俺は敗北死したという事だな…… そうか、遂に武の棟梁には成れなかったか……」
『そうだねぇ、地球では成れなかったねぇ。そんなブトーくんに朗報だよ! 私の話をよーく聞いてね。私は武を司る女神、【ワレキュール】だよ! そんな私が任された世界にブトーくんを転生させて上げる! その世界で武の棟梁を目指してみて! 転生特典は言語理解と体術、武術スキルが鍛えれば鍛えるだけ上がる体質を! それと、この私から加護を一つつけてあげるよ! 何か希望はある?』
やはり、【ワルキューレ】だったか! 格好からしてそうだと思っていた。それならば俺は武者修行中に辛かった事を思い出す。そう、真冬の山で風邪になってしまった時の事を。それでも己に課した修行を止める事はなかったが、あのときは辛かった……
「そうだな…… (病などで)壊れない体が欲しいな……」
俺の言葉に
『それはまた凄い加護を願うねぇ…… 壊れない体(不壊の体)って…… でも、ま、いっか! よーし! それじゃ私からの加護は
「そんな趣味はないな……」
『そっか! 残念…… あ、でも転生したらちゃんと結婚してよね。今世では女性とも向き合うんだよ! いい?』
「むっ! しかし宮本武蔵老師は……」
『はい、私の世界には宮本武蔵老師は居ません! 分かった?』
むう! 武の女神様が言うのならば従う必要があるか…… 武の棟梁になる為に必要なのだろう……
「分かった、記憶が戻ったら努力する事を約束する」
『うん、それじゃ、頑張って武の棟梁を目指してね、私の世界、マルドラームへ転生!!』
そうして俺の意識は遠のいた……
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