第10話 時には母のない子のように

親友は私が家族の後を追うのではないかと心配していたようだった。


彼女も仕事が忙しいし、私は空気の抜けた

腑抜けになっていたし、、。


彼女の実家のお世話になる事になった。

学生の頃からよく泊まりに行っていたから

お母さんやお父さんも心良く引き受けてくれた。

何が無い毎日が穏やかに過ぎていった。


私は恐ろしい現実から逃げる事でしか自分で立っていられなかった。


毎晩、空を見たわ。

こんな時にでも、月は綺麗だ。

めちゃめちゃなのに。

憎くて、涙が出た。




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