第37話 土佐の脱藩浪士
呉服屋の
あまりにも倒れた人が汚れていたから、呉服屋の主人は眉をしかめて嫌そうな顔をしたが身分を
「すり傷がいくつかありますが、大きな怪我は見当たりませんでした。着物が濡れて臭いので川にでも落ちたのでしょう。風呂に入れて身体を暖めれば、気も落ち着くはずです。では私はこれで失礼します」
貴次が連れて来た
「ありがとうございました」
気つけ
「お
覚兵衛が医者の見送りに出ていったあと、横たわる濡れ
「たたき起こして風呂に入れるか?」
伯が面白がって男に
「起きて騒がれても困るから・・・
男三人がかりで布団から引っ張り出して、風呂に連れていった。
私と紅で呉服屋の主人に安物の着物を数枚頼み、濡れてしまった布団を交換した。
「おまんら!なにもんぜよ?おい
ドタドタドタドタドタドタドタ
パタン
「おりょうぉぉ」
「きゃああああああーーーーー」
ドカドカドカドカ
「待ちなさい!こいつっ・・・・なんという
廊下が
部屋の
「ちぇすとーーーーーーーーーーーーー」
伯が叫んだ。(あ、ヤバいかも・・・)
私は思わず
「りょうまさん!ふせっ!」
ビタン
反射で廊下に
おでこギリギリに刀が振り下ろされた男は、目が
「おりょう・・じゃない?」
「どう見ても違うでしょ。それより、
「まっこと坂本竜馬じゃき」
「竜馬さん、
「??
バタバタバタバ・・
窓の
「な・・なんちゅう?」
窓の外には城下町が広がっているだけだった。
「ここには残念ですが、お
「うおーーーっ?・・これで二度目じゃき!前は未来で今度は過去に戻ってきたのかぁーーーーうおーーーーっ」
二度目?しかも未来に来たことあるの?
「ね・・・・竜馬さん?竜馬さんは未来に行ったことがあるの?」
「なんでじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「りょうまs・・・・」
「おりょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」天井を見上げて腕を伸ばす
「りょ・・・」
「うそじゃーーーーーーーーーーーーー」浴衣を
「「「黙れ!竜馬!!」」」
私と紅、覚兵衛の声が重なった。
パシッ
伯はニヤニヤしながら、わらじで竜馬の後頭部を叩いた。
「おやおや、
皿に山盛りの
声の主に振り向いた竜馬が飛び上がり、貴次に抱きついた。
「
「わわw・・人違いでは?」
困り顔で視線を向けてくる貴次に、どう答えていいものか・・・・・
人違いだと
「いや~~まっこと桂さんにそっくりじゃき!
「ご先祖様だったりして?」ツヤツヤの柿を
紅が柿の皮をむき、他の二人に渡す。毒味だ。
「いえいえ、元は薩摩の生まれですが今は
「西郷さんを知っちゅうがか」
「竜馬さん、西郷さんはまだ生まれてません」
「なんでかぁ、おまんらわしゃあ知っちょるき?」
「教科書の写真そのまんまなんだもの。それより!竜馬さん未来に行ったことあるの?」大事なこと聞かなきゃ。
「未来かぁ?ありゃ~
「日本じゃないの?何時代だった?」
「???おなごが変な顔して~口と髪が白く、へそと耳に輪っか付いちょったぜよ」
「それきっと、ガングロ
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